2023.01.13
2023年も美味しい店を探し求め、役立つグルメ情報を伝えるべく、『東京カレンダー』編集部員は奔走中!
そこで今回は、昨年1年間のうち雑誌取材やリサーチで出会った、「忘れられないひと皿」を振り返ってご紹介。
『東京カレンダー』を作る食のプロが、プライベートで偏愛する名店は、この7軒だ!
◆
※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。
1.旬の青魚の巻物が、最強の酒のツマミに!
『呑み食い処 優』@三宿
「いわしのアテ巻き」
細巻きが好き。鉄火巻き、穴キュウ巻きあたりを頼んで、チビチビ日本酒を飲む、それが最上の幸せだったりする私。
当然、銀座、港区のおまかせ高級鮨も大好きだけど、チビチビ、ってのは叶わない。そんな私が、時折り伺うのが『呑み食い処 優』だ。
場所は三宿交差点から、徒歩30秒。山形・遊佐から届く新鮮な魚を使ったアテは、どれも秀逸。
瓶ビールでやりながら、頼んでおいた「アテ巻き」(1,500円)が届く。青魚の刺身に、薬味がどっさり入り、シャリなし。NOT炭水化物が大人に刺さる。
いつの間にか、ビールが焼酎ソーダー割に代わり、気づけばほろ酔いに。
プライベートで何度も伺う店って意外に少ない。ということは、やっぱり好きな店なんだろう。
2023年は、さらに月刊誌をいろいろとパワーアップさせるべく(ご期待あれ!)東奔西走する46歳(ふと、気付けば)。
2.天ぷらの名店による、幻のかき揚げ丼
『天麩羅 みやしろ』@中目黒
「かき揚げ丼」
今年も星を獲得した名店『天麩羅 みやしろ』。夜はコース一本で25,300円の高級店だがコロナ禍に昼限定で「かき揚げ丼」を提供していた。
私も行こうとは思っていたが、いつの間にか販売終了……。そんな私を救うべく知人からLINEが。
「宮代さんが特別にかき揚げ丼を作ってくれるけど行く?」。もちろん(^o^)。
念願のかき揚げ丼はブラックタイガー10匹のみのタネで、食べるとごろごろとした骨太な食感。なんと一匹一匹ひと口サイズに手でちぎっているとか。
タレはどっしりと甘く、カラリと揚がった衣と相まって米が進む。
無くさないでほしいと店主に伝えたところ「夜の予約時に言ってくれたら作れる時は……ニヤリ」。聞いてみるのも大いにアリだ。
「子ども舌」とよく言われるけれど、それは褒め言葉だと捉えることにしている45歳2児の父。
和食の繊細な出汁の香りから、特濃ソースの香りまで分け隔てなく愛せるグルメ編集者。
3.うにのソースに細胞が目覚める。二ツ星の王道フレンチ!
『ピエール・ガニェール』@溜池山王
「京都産七谷鶏の燻製とムース 雲丹のクリーム スペッツリ」
最近、バターなどの使用を控えたナチュラルなフレンチに行くことが多い。だが、『ピエール・ガニェール』で、久しぶりに王道のフランス料理を食べた瞬間、衝撃が走った。
何を食べているかがハッキリとわかる迷いのない味。技術の高さが如実に伝わるソース。味覚を鋭く刺激し、おいしさが脳に刻まれる。
文字通り、唸りながらいただいたのが秋のスペシャルディナーコース「PIERRE GAGNAIRE TOKYO」(37,290円)のひと皿だ。
ピエール・ガニェール氏は意外なことに、スペシャリテがないことで知られる。料理は進化するものであるから、常に新しい味覚の世界を追求しているのだとか。
世界的シェフの今の到達点を示すひと皿は、フランス料理の凄みというものを改めて感じさせてくれた。
1回の食事額が3万円を超えるとドキドキしていたのも今は昔。
食事代で8万円、交通費で3万円……なんていう贅沢も覚えてしまい、金銭感覚の高度成長に危機感を覚えます。
この記事で紹介したお店
呑み食い処 優
天麩羅 みやしろ
ピエール・ガニェール/ANAインターコンチネンタルホテル東京
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