2022.12.20
『Bar Liquid Ruby』のバーテンダーと共に探る、日本独自のバー文化
続いて訪れたのは、バーボン専門店『Bar Liquid Ruby』(バー リキッド ルビー)。
バーテンダーでありオーナーである向山直孝(むかいやま・なおたか)氏は、陸上自衛官だったという興味深い経歴を持つ。
初めて飲んだ10年熟成のラフロイグに衝撃を受け、ウイスキーの“沼”へ。
入隊当時からバーホッピングを趣味とし、退官したのちにバーの世界へ足を踏み入れ、ウイスキー専門の「Bar Hermit」で5年に渡り店長を務めるなど経験を積み、2019年に自身の店をオープンした。
向山氏が感じる『ウッドフォードリザーブ』の魅力は、3度の蒸溜により高められた芳香とコク、そして、他のお酒や素材を混ぜてもしっかりと残る個性だという。
夕刻となり、闇に包まれつつある新宿。
ニダール氏はポケットチーフの折り方を先ほどまでの「パフ」から「クラッシュ」へ。
どうやら、時間の変化とともに日本のバー文化を楽しむ趣向のようだ。
カウンター越しにニダール氏の前に出されたのは、日本文化を感じさせる陶器のグラスに入れられた、向山氏オリジナルの「ローカル・ファッションド」。
グリルドオニオンをインフューズした『ウッドフォードリザーブ』をベースに、とうもろこし茶、自家製しいたけシロップ、そして、自家製ほうじ茶とチョコレートビターズをミックスしたものを加え、ほのかにオレンジピールで風味を付けたのち、ピックで添えたマシュマロを焦がす。
マシュマロにはあらかじめメープルシロップが垂らしてあるという。
奥行きのある甘さとコクが、オールドファッションドの味わいを深めるのだ。
すがすがしいオレンジの香りに、スモーキーな甘みをプラスすることで向山氏が表現したのは、故郷・北海道の大自然だ。
向山:20歳のときに、北海道・富良野から東京に出てきました。
僕にとっての原風景である北海道をカクテルで表現するために、旬の玉ねぎを炒めて『ウッドフォードリザーブ』に漬け込みました。
芯のあるバーボンだからこそ成り立つカクテルです。
スピークイージー(禁酒法時代の米国の潜り酒場)に着想を得たという向山氏のバーは、最低限の明かりを灯すのみ。
向山:この暗さにより、お酒の香りや温度、味わいに意識が向かいやすくなります。五感を研ぎ澄ませてお酒を楽しんでもらいたい、その思いからあえて店内を暗くしています。
ニダール:とてもインクレディブルなバーですね。このような『お酒と真摯に向き合う』『バーテンダーと親密に語りあえる』といった文化は、日本ならではのもので、とても興味深いです。私はとても気に入りました。
欧米では、お酒はワイワイ楽しむものなので、まったく同じバーを海外で作れるか?と言われたら難しいかもしれませんが、何軒かでいいので出来たらうれしいですね。
少し質問させてください。コロナ禍を経て、日本のバーに何か変化はありましたか。
向山:ここ10年くらいで目立つのは、サステイナブルなカクテルづくりが意識されるようになってきた気がしますね。
ニダール:国際的にゼロウエストのサステイナビリティは主流になっています。ただ、もともと日本は廃棄が出にくい文化ですよね?
向山:“もったいない”の文化は確かにありますね。
ニダール:そのあたりも、とても日本らしいですね。
向山:僕からも質問をいいですか? ウッドフォードリザーブを最もおいしくいただく飲み方は、オールドファッションドだと思いますか?
ニダール:そうですね。オールドファッションドの一番おいしい飲み方が『ウッドフォードリザーブ』を使うことだ、という答えが正しいかもしれません。
――バーボンを愛する二人の会話は、暗闇の中、途切れることなく続いた。
日本ならではの“おもてなし”が、世界のバーの意識を変える日がくる
「私が考える優れたバーテンダー、かっこいいバーテンダーというのは“体験”を提供する存在です。
この体験には、店の雰囲気はもちろん、会話、つくるお酒などすべてが含まれます。
ゲストが何を求めているのか、店に入ってきた瞬間に判断することができる、それが優れたバーテンダーだと思っています。
日本のバーには優れたバーテンダーが多く、かつ、おもてなしの文化により、上質なサービスを提供している。
この文化が世界に広がれば、バーという存在そのものを高めることができるかもしれません」
初めて訪れた日本で、欧米にはない日本らしさ、日本人らしさに触れたニダール氏は、そう語った。
ブランドアドボカシーディレクターとして『ウッドフォードリザーブ』を盛り上げ、学びの場や方法を提供し、フレンドシップやパートナーシップを広げていくことを目的とするニダール氏。
彼が今回の日本探訪で得たものが、いつか、世界基準になる日がくるかもしれない。
『ウッドフォードリザーブ』のオールドファッションドを、日本のバーで…。
コロナ禍が一段落し、世界との交流が再開した日本にとって、この冬は記念すべき季節でもある。
大切な人との時間を。
そして、大切にしたい一人の時間を。
『ウッドフォードリザーブ』で作るオールドファッションドで、満たしてみてはいかがだろうか。
「Brown-Forman社Woodford Reserve公式サイト」https://www.woodfordreserve.com/
【SHOP DATA】
Bar Vie Lembranca
店名:バー ヴィ レンブランサ
営業時間:【月、水~土】16:30(17:00~の場合あり)~24:00(L.O.23:00)/【日】16:30~23:00(L.O.22:00)
定休日:不定休、火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/29~1/3)
住所:東京都港区南青山2-8-2 南青山サマリヤマンション1F
電話:03‐6804‐3013
Bar Liquid Ruby
店名:バー リキッド ルビー
営業時間:18:00~27:00
定休日:日曜
住所:東京都新宿区西新宿7-1-4 ゼンコウビル3F
電話:03-6908-6664
Photos/Kayoko Ueda,Text/Megumi Waguri
おすすめ記事
2023.01.21
【1/21(土)の運勢をチェック!】自分自身が納得するまでやってみよう
2019.08.11
サトータケシと編集部員 船山の"CAR GENTSへの道"
世界一美しいクルマに初代レンジローバーの限定レストアまで!個性しかないクルマ5選
2019.07.16
港区モード
One day:年上女を満足させる自信を失った、29歳の男。彼が再び歩き出せた理由
2022.10.15
【10/15(土)は、出会い運・恋愛運どちらも絶好調♡】今日の運勢をチェック!
2023.03.25
【未公開カットあり】話題の俳優・鈴鹿央士が語った「東京に染まったな」と思う瞬間とは
2021.09.10
金曜美女劇場
「バズるのは大変だけど」あの大型新人歌手は今、ユーチューバーになっていた…
2019.05.12
休日ジェットセッター【厳選スポット編】
台湾ってこんなにキラキラしてたの!?「ワンランク上の台北旅行」を1泊2日で実現する厳選12箇所
2022.05.28
【WEB限定カットあり】津田健次郎の、“成熟した色気”が漂う大人デート!
2017.01.10
東洋経済・東京鉄道事情
朝一から会社って行く必要ある?通勤混雑の回避策として東急が“シェアオフィス”を始めた!
2020.10.25
イケメン落語家・瀧川鯉斗とホテルデートしてみたら、落語に一途すぎて嫉妬した!
東京カレンダーショッピング
『佐藤養助商店』:門外不出の技による、喉ごし滑らかな"稲庭干饂飩"
『かに物語』:ふっくらと肉厚な一本爪が2本入ったフレンチカレー
『西岡養鰻』:特製タレ付き!脂の乗った高品質な鰻を土佐備長炭で丁寧に焼き上げた蒲焼
『マルヒラ川村水産』:ご飯に載せて贅沢いくら丼!1粒1粒に旨みが凝縮された、とろける食感の北海道函館産天然いくら
『North Farm Stock』:北海道産ミニトマト使用!糖度が高く、コクとうまみがたっぷり詰まったトマトジュース
『ル・ボヌール 芦屋』:フリーズドライフルーツにホワイトチョコがたっぷりと染み込んだ新感覚スイーツ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"