本気の鮨デートは、相手との距離が縮まるカウンターで愉しみたいもの。
今回紹介する新店は、若手大将が作り出す、和やかな雰囲気も魅力の一つ。
そして握りは、色気すら感じるほど艶めく、選び抜かれたマグロが名物だ。
恵比寿デートの切り札として大切にしたい、カウンター鮨である!
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こぢんまりとした6席のカウンターが、ふたりの距離を近づける
麻布十番の名店『秦野よしき』で6年研鑽を積み、親方から独立のGOサインをもらった荒木 悟さんは27歳の若き大将だ。
妻とふたり、自己資金で借りたのは小さな物件。直線カウンターをとるのは難しく6席の台形にしたが、これがデートには功を奏する。
ペア3組が整然と分かれ、角があるぶん隣とは絶妙に離れていて、『すしさとる』は逆に通常の鮨店より相手との距離が近い。
荒木さんは冗談が好きで、明るい夫妻が作る空気感に、本気デートの気張りも和らぐ。
寛ぎながらも、鮨はビシッと職人の技が光る味わいなのが決め手になる。
茄子で始まりあんこで終わるのは修業先と同じだが、それ以外は自己流。習得した「魚の臭みは消して香りは残す」という大枠は守り、仕入れ先はガラリと変えた。
特筆すべきは、1年頼み込んで手にした「フジタ水産」のマグロだ。
自慢のマグロは、他では味わえないインパクトと贅沢感に満ちている
「腹上中トロ」
薄めに切って包むように握った中トロ。
「赤身」
滑らかな舌触りが際立つ赤身。
「腹上中トロ漬け」
口内の温度でとける腹上中トロ漬け。