国内ラグジュアリーホテルのオープンラッシュとなったこの2~3年。
新しいホテルはもちろん刺激的だが、一方で何回通っても新鮮な気持ちを与えてくれる老舗がある。
その筆頭となるのが1994年に開業した「パーク ハイアット 東京」だ。
高揚感を引き出す様々な仕掛けが潜む、28年経っても褪せない同ホテルの魅力をお伝えしたい。
もう100回以上は「パーク ハイアット 東京」を訪れているのに、飽きずに「やっぱりいいな」と思ってしまう。
それは赤く灯る東京タワーを見る感情とも似ていて、大袈裟じゃなく一生続くのだろう。
なぜこうも琴線に触れるのか、改めて歩いて好きなところをメモしてみた。
エントランスでニヤリと笑う男の子がユーモアセンス抜群
まず、入口ドアの頭上で不敵な笑みを浮かべる悪魔ボーイ(勝手な呼び名)がよい。第一印象となる場所にして、少し怪しい。
この顔は、「ビジネスビルの堅い雰囲気を和らげたい」というデザイナーのジョン・モーフォード氏が考えたユルめ要素。初手から気取り過ぎないところがいい。
そして中に入れば、「時間を忘れてください」という意味で腕時計が置いてある。普通のホテルなら壺や花のところ、なんと小粋か。
エレベーターが昇るにつれて徐々に照明が明るくなることにも注目。この演出は十数年後に海外の流行店で広まるが、実は新宿が早かった。
エレベーターが昇るにつれて、照明が徐々に明るくなる仕掛けにワクワク
41階でエレベーターが開いてレセプションまでの歩数を数えると120歩。
途中、39階に繋がる螺旋階段を覗き、『ジランドール』の壁に貼られた賑わうカフェの写真を横目に進むうちに、あることに気づく。
ホテルによると、モーフォード氏はスペースが切り替わるごとに床の素材を変え、足音にも変化をもたらしたとか。
確かに絨毯の上では静かに、大理石ではカツカツ。足裏の感触も変わる。
歩くだけで高揚するのは、導線が秀逸なのはもちろん、足元でも無意識に魅せられていたからか。そのために絨毯の合間に絶妙な幅の大理石を敷くとは心憎い。
通路に並ぶ2,000冊の本は貸し出し可能!
続く本棚に囲まれた廊下のダウンライトは、あえて本を照らさないのがいい。
というわけで2階から41階までの導線を語り出したら、なかなかレセプションに辿り着かない。
客室でサンセットを眺めて、リラックスしながらシャンパンを味わいたい
客室でリクエストしたいのは夕陽と富士山が見える西向きの部屋。
ベッドに寝転がって見るマジックタイムも至福だ。
『ニューヨークグリル』のプリプリのロブスターがおすすめ
3種類のサウナと水風呂も完備
なので最後にひと言。ここは、28年前からサウナと水風呂、休憩椅子を設置していた“ととのう”の先駆けでもある。
優雅さは都内一だが、実はシャワーの水圧は世界一かも。
◆
細やかな気遣いが散りばめられた同ホテルにステイすれば、身も心もリセットされること間違いなし。
是非、次の週末に訪れてみてはいかがだろうか?
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