いつからか、SNSで見るようになった「#東京カレンダー風」。
投稿された写真に驚くほど共通するのは、カウンターで微笑む美女やムーディなレストラン。
だがしかし、東カレ風とは具体的にはどういうことなのか。自ら紐解いてみたいと思う。
表紙女優の撮り方こそが「#東京カレンダー風」のシグネチャー
シックな店内で、シャンパン片手に美女が艶っぽく振り返る。
そんな写真が「#東京カレンダー風」「#東京カレンダーごっこ」などとタグをつけてアップされている。
SNSで多く見かけるポーズの代表が表紙だろう。
レストランで女性が見せる、ふとした瞬間の色気を旬の女優さんに魅せていただく。
女性の美しさは千差万別であるが、夜のたまらなく妖艶なあの空気感を最も効果的に演出するのが、肌感のあるブラックドレスや赤めのリップ、そして肩越しに送られる視線なのだと思う。
東カレ風の象徴は表紙だが、その他にも5つのポイントが見えてきた。
レストランを舞台にした「男女の物語」を切り取る
手前みそながら、独自の世界観に強い印象を抱いてもらえることが多い「東京カレンダー」だが、編集方針の大前提は「リアルな東京の夜を伝える」ということ。
紹介するファインダイニングは、大人の男女が集う“舞台”と考えている。
飲食店紹介は美味しいお酒や料理の深掘りに終始しがちだが、空間やプレゼンテーション、相手の喜ぶ顔、ふたりの関係や距離感がどう縮まるのか……といった、その相手と食事をする“意義”も本当は重要なはず。
レストランは、めくるめく男女の切った張ったの物語の舞台なのだ。われわれはレストラン雑誌として、その艶やかな空気感をリアルに表現したい。
その一貫したコンセプトが、「東京カレンダー風」と呼ばれるビジュアル表現を生み出してきたのだと思っている。
ファインダイニングからネオ酒場まで、東京のナイトシーンを牽引する店はいつだって洗練された男女で賑わう。
女性のブラックドレスや赤リップはもはや“制服”として確立。
“港区公式ドリンク”と呼ばれるシャンパンやワイン、洒落たカクテル。
その場を高揚させるラグジュアリーなアルコールは、東京カレンダーの世界観に必要不可欠だ。