予約がとれなくなる店2013 Vol.1

キタフク

きた福

【推薦者】マッキー牧元/タベアルキスト

はしゃぎながら、ひとり約1キロ弱のカニを食べるなんて、そうもない。
“カニを食べると無口に”が当てはまらない店。

「北海道から直送されたオホーツク産タラバガニ。まだ生きてます!」

これで2人前サイズ(約1.5㎏)。通常よりも大きく重みのある特注の包丁で、一気に捌いていく

カニ料理を物語にする進化版「劇場型」料亭

目の前で捌き茹で焼くカニ七変化の楽しみ

東京に料亭はゴマンとあれど、こんな店なかなかお目にかかれない。北の海の幸・タラバガニを、もっとも新鮮な状態、つまり生きたまま丸ごと卓上に提供するのが、ここ『きた福』。座席構成は、6人用個室が全3室のみという潔さ。料亭版ライブレストランよろしく、1室にひとりの板前が付きっきりで調理を行うためだ。

手入れされたまな板とともに座敷へ登場するのは、毎日北海道から空輸されるオホーツク産活タラバ。それを見事な包丁捌きで素早く処理し、しゃぶしゃぶ、お造り、焼き、蒸しの異なる調理法で用意。ふんどし、若い甲羅、ハツなどの希少部位も、余すところなく味わう。まさにカニの七変化、めくるめくタラバワールドを体験できる。腕を振るうのは、都内有数の名門京料理店で経験を積んだふたりの料理人。

基本のコースには、前述のカニ三昧に加え、先付、前菜、お造り、食事、デザート2種のほか、タラバの身を使ったカニクリームコロッケやカニしゅうまいなどがラインアップすることも。料亭らしからぬ遊びメニューを加える、押し引き加減も憎い。最後まで飽きさせない、五感フル稼働の食のエンターテインメントは、距離を縮めたい相手と来れば、ぐっと親密になれることも。

オープンは昨年11月。既に1週間前の予約が困難な日も出始めている。信奉者が東京中にあふれるのも、もはや時間の問題だ。

前菜のひと皿、甘鯛の小袖寿司と自家製カラスミ、マコモ茸と平貝のあぶり。カニの前後に提供する料理もそれぞれクオリティが高い

左.しゃぶしゃぶ。料理はすべて¥13,000のコースより

右.丁寧に下ごしらえ

左.お造り。噛むと押し返されるような弾力

右.焼き。もっとも甘みを感じられる調理方法

左.蒸し

右.ふんどし、甲羅、ハツなどの希少部位も

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