春は曙…… 否、仔羊と馬です。 Vol.1

仔羊のわら包みの芳しさ、柔らかさ。他では味わえない逸品

「仔羊の藁包みロースト」¥3,500。ソースはフォンドヴォーにマスタード少々とバターを。上にのせたマルドンの塩だけでも十分美味。直火にあてずに焼けばこその、ジューシーな美味しさだ。付けあわせはジャガイモ灰埋めロースト

テーブルに運ばれてきた紙包みを開けば、どこか干し草を思わせる独特の薫香と共に、米藁に包まれた仔羊が姿を見せる。その柔らかな藁の香りを身に纏い、しっとりと焼きあげられた骨付きの仔羊に刃を入れれば、美しいロゼ色の断面が現れる。これが、『フィオッキ』の名物料理「仔羊の藁包みロースト」。堀川亮シェフのスペシャリテである。

「本来は、畑仕事に出る時に藁で包んだ仔羊を焚き火に置いて作った料理」だそうで、堀川亮シェフが修業時代を過ごしたピエモンテ州のトッレ・ペッリチェ渓谷に伝わるヴァルド派の料理だ。この伝統料理をリストランテの一品に昇華させたのが、修業先『フリッポー』のシェフ、ワルテル・エイナルド氏だとか。

滋味深く仔羊特有の風味が広がる一皿は素朴ながらも、長い歴史に育まれた料理ならではの風格が漂う。

右.オーストラリア産の仔羊を増田農園の米藁と干したよもぎで包んで焼く 左.200℃のオーブンに出したり入れたりして焼きあげる

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