「抜け道と思って進んだらお店があって驚きました」と笑顔になった、女優の西野七瀬さん。
東京カレンダーがアテンドした『薪鳥 新神戸』は中に入るとカウンター7席のみで、目の前には薪の炎がゆらめく。
華美な装飾はないが、ほの暗いなかでオレンジの炎が空間に艶やかさを与え、食前から期待が高まるのだ。
大人気女優を心躍らせ、東京の焼き鳥界を騒がせる名店をご紹介しよう。
◆
※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。
予約困難な和食店『鈴田式』のオーナーが手がける新店と聞けば、すぐにでも予約したい人が多いだろう。
しかし、今年7月のオープン直後から予約は4カ月待ちとなり、現在は半年待ち。その店『薪鳥 新神戸』の実態は、店名通り薪で火入れする焼き鳥だ。
炭の焼き鳥との大きな違いは、遠赤外線ではなくゆらめく直火で肉を焼くこと。
薪自体が水分を含んでいるため、その火で包み込むように熱せられた鶏は至極ジューシーな焼き上がりに。
加えて薪ならではの炎の香りをまとい、余韻まで鮮やかな記憶として残る。
西野さんも「薪鳥は初めて知りましたが、味も香りもいままでと違って別の焼き鳥という感じです」と、未知なる味わいに驚いていた。
主となる銘柄は秋田の高原比内地鶏。
それを2週間寝かせアミノ酸を増幅させてから焼くことで、薪の香りに負けない旨みを備えるのもポイントだ。
皮目の香ばしさが特徴の「腿」。噛めば熟成させた鶏こその芳潤な肉汁が溢れ出す。
鮮やかな色味の「セセリの和風アリッサ添え」も名物のひとつ。
和風アリッサはカンズリベースにパプリカの風味をプラスし、程よい刺激がクセになる。
「焼き物は腿とせせりがすっごく美味しかったです。腿は香りがとても印象的でしたし、本当にジューシー。
せせりにはちょっとエキゾチックな香辛料(ハリッサ)がのっていて、お肉ととても合っていました」と西野さんも絶賛していた。
高さの違う焼き台を巧みに操る大将・疋田豊樹さんの腕も確かなもの。
例えば腿ははじめ上段で皮目が燻製色になるまで焼いて香りをのせ、下段におろし高温の直火で一気に仕上げる。