旬の美味は鮨にあり! Vol.2

スシドコロ イシハラ

鮨処 いし原

東京を代表する食都で
京の風情を感じる空間

上.ネタの中でも、特に力を入れているというのがマグロだ。選ぶのは、近海ものの本マグロのみ。この日は那智勝浦から。「脂が控えめな時季があるのも、天然だからこそ。季節とともに変わる味わいを楽しんでもらいたい」と板長 右下.車海老は僅かにボイルすることで甘みを引き出す。 左下.駿河湾からの桜海老は、色合いの華やかさも魅力

夜になるとひときわ華やぐ銀座の西五番街通り。その街並みにあって、京都・祇園特有の赤提灯が店先に提げられ独特の存在感を放っているのが、ここ『鮨処 いし原』だ。

入るとまず驚くのは、ゆったりとした空間。壁には巨大な御影石を用い、檜のカウンターも美しい。そして美しいといえば、忘れてはならないのがオーナーであり女将の、石原三輪子さんの存在だ。祇園で芸妓として活躍した後、この店を開いた。

「激戦区・銀座の真ん中ですから、鮨はあくまで江戸前。しつらいやおもてなしの面で京の雰囲気を感じていただければ、と思っております」という語り口や所作が、なるほど雅やか。

また、おまかせ一本勝負のコース制を取る店が増えている昨今だが、こちらではお好みで一貫からでも、快く受けてくれる。
月に数回、京都の芸妓さんや舞妓さんが舞の披露をする日もあるとか。鮨に舌鼓を打ちつつ、華やかな宴を楽しむのも一興だ。

右.美しいネタ箱はさながら海の幸の玉手箱。夜のおまかせ握り¥8,400~ 左上.マグロと並んで厳選しているネタがウニ。軍艦にせず、敢えて握りに 左下.夏にかけて珍重されるのがコチ。締まった身の食感が印象的

右.“富山湾の宝石”と称される白海老。4月~ 11月が漁の解禁期間。とろりとした舌触りと上品な甘さが身上 左上.女将の石原三輪子さん。“はんなり”という表現がまさにぴったりな雰囲気が、京の都を思い起こさせる

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