夜になるとひときわ華やぐ銀座の西五番街通り。その街並みにあって、京都・祇園特有の赤提灯が店先に提げられ独特の存在感を放っているのが、ここ『鮨処 いし原』だ。
入るとまず驚くのは、ゆったりとした空間。壁には巨大な御影石を用い、檜のカウンターも美しい。そして美しいといえば、忘れてはならないのがオーナーであり女将の、石原三輪子さんの存在だ。祇園で芸妓として活躍した後、この店を開いた。
「激戦区・銀座の真ん中ですから、鮨はあくまで江戸前。しつらいやおもてなしの面で京の雰囲気を感じていただければ、と思っております」という語り口や所作が、なるほど雅やか。
また、おまかせ一本勝負のコース制を取る店が増えている昨今だが、こちらではお好みで一貫からでも、快く受けてくれる。
月に数回、京都の芸妓さんや舞妓さんが舞の披露をする日もあるとか。鮨に舌鼓を打ちつつ、華やかな宴を楽しむのも一興だ。
旬の美味は鮨にあり!
旬を味わう。その醍醐味を実感するなら、鮨だ。 晩春から初夏にかけて、美味しくなる魚を食す。その喜びは格別だ。
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