森脇慶子が薦める、初夏に食べたい極上の“旬” Vol.2

サカナヤトミチャン

さかなや 富ちゃん

旨みを蓄えた
最上の身質と脂

curated by
森脇 慶子

右.時しらずの塩焼き

時しらずの塩焼き

俗に“秋味”と呼ばれるように、鮭の旬は、産卵のために河川を溯る秋と言われているが、鮭の本当の旬は初夏――。

そうきっぱりと言い切るのは、魚料理一筋30年のキャリアを持つ『富ちゃん』のご主人・末富宏氏だ。

腹に卵や白子を持つ秋鮭と違い、この時期に採れる通称・時しらずは、まさにこれから卵を持つべく栄養を貯えている真っ最中の鮭。それだけに脂も十分にのって旨い!というわけだ。それも末富氏に言わせれば「6月に入ったら、もう脂は落ちてくる。一番旨いのは、4月の末頃から5月いっぱいまで」のわずか1ヵ月間なのだとか。

さらに、最低でも4㎏。5~6㎏級の鮭でなくては仕入れないほどのこだわりよう。これを自ら塩をして寝かせること3日間。余分な水分が抜け、塩と脂がほどよく馴染み旨みへと熟成された塩鮭は、生の鮭にただ塩をふっただけの塩鮭とは、別ものの深い旨みと滋味を味蕾に残す。

こんがりと焼けた皮からはぜるように脂を滴らせ、芳ばしい香りを放つその身を頬ばれば、しつこさは皆無。熟れた塩味が白飯を呼ぶことうけあい。日本に生まれた喜びを実感する一瞬だ。


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