男と女の怪談~25歳以下閲覧禁止~ Vol.27

「俺、実は…」交際10ヶ月の授かり婚。入籍5日前に、男が29歳女に告げた恐怖の言葉


春・第七夜「白い服の女」


結婚にまつわる準備が、こんなにも甘く、心が浮き立つものだとは29歳になるまで知らなかった。

前撮りしたウエディングドレスとタキシードに身を包んだ自分たちの写真をうっとり眺める。

こんなご時世なので、結婚式は落ち着いてからすることにし、3月に写真スタジオでドレス姿だけ撮影した。

3ヶ月前の、大好きな拓海からプロポーズ。

感激のあまり号泣してしまったのは、その2週間前に彼に妊娠したことを告げ、それから連絡が途絶えたことで絶望していた反動もあった。

決まり悪そうにバラの花束を抱えてマンションに来てくれた日のことを、私は一生忘れないだろう。

1週間後の4月28日、私の30歳の誕生日に入籍し、拓海の中目黒のマンションに、私が引っ越すことになっている。

3人暮らしには多少手狭な2LDKのマンションは、財閥系ディベロッパーに勤めている拓海が、7年前にグループ企業割引で購入したものだ。

資産価値が落ちにくいマンションを購入していてくれたのが幸いし、今では手の届かないような価格となっている。しばらくそこに住んで、子どもが大きくなってきたら売却するなり、賃貸にでも出せば安泰だ。

ずっと先まで明るい未来が、私を待っていると信じて疑わなかった。

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