男と女の怪談~25歳以下閲覧禁止~ Vol.25

「夫が帰ってこないの…」アラフォー美人妻の痛々しい告白。10年前から隠していた女の恐ろしい秘密


春・第五夜「残された女」


練馬区の石神井公園駅周辺は、東京でありながら緑豊かで、どこか懐かしさを感じる場所だ。

駅を降りて5分ほど歩くと、ボートがたくさん浮かぶ大きな池がある公園があり、その公園を囲むように、ずらりと豪邸が並んでいる。

スマホで地図を見ながら、その高級住宅街のなかでも、ひときわ立派な門構えの邸宅にたどり着いた。



私は、いくつかの美容サロンで8年修行したあと、2年前に池袋でサロンをオープンした。

なじみのお客様が口コミで広げてくれたので、最近では、芸能人やモデルのお客様も少しずつ増えてきて、経営は思いのほか順調だった。

東南アジア各地の美容法を独自にアレンジしたオールハンドの施術は、特別なマシンを必要としないので、初期費用が抑えられたことも大きいだろう。

そんな状況だったから、ある資産家のお客様から、「自宅に定期的に出張してくれる腕のいい施術者を探している奥様がいるの。瀬里ちゃんどう?」と尋ねられたとき、断っても経済的に支障はなかった。

ただ、池袋のサロンから石神井公園まで電車で10分、2時間の施術で5万円、週1回で曜日や時間は応相談、という条件は定期収入として魅力的だった。

だから、とりあえずトライアルとして一度伺うことにしたのだ。

「その奥様、すごい豪邸でおひとりで暮らしているの。聞いたことないけれど、40歳を過ぎたくらいだと思う。何か訳アリみたいなんだけど…とにかくお金持ちだから、いいお客さんになってくれるんじゃない?」

紹介してくれたお客様のちょっと能天気な言葉を思い出しながら、門の横にある勝手口のインターホンをそーっと押した。

すると、「はーい」と落ち着いた優しい声がして、門扉のロックがガチャンと音を立てて外れた。

「どうぞ、中にお入りになって」

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