「あざとかわいい」
女優・松本まりかさんを一躍有名にした、このキャッチーな言葉も今や聞き慣れたものに。
1年の時を経て再会した彼女から放たれるオーラは、大人の色香をまとった“魔性の女”のそれだった。
シャンパンが主役という南青山のフレンチレストランではおのずと饒舌になり、今まで語られなかった本音がこぼれた。
“魔性の女”の正体とは?
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「絶対に結果を出してやるんだ」遅咲き女優の覚悟
「ずっと東京カレンダーに出たかったんです」
1年前、そう言って現れた松本まりかさんは、まるで飢えたオオカミのような目をしていた。
どこか不安そうで、でも絶対に爪痕を残してやるという気迫が波動のように伝わってきて、これが“遅咲き女優”の覚悟なのか、と強烈な印象を我々に残した。
それから1年。再会した彼女はまるで別人のように、穏やかな笑みをたたえ、外苑前の隠れ家フレンチに現れた。
「あの時は瀬戸際に追い込まれてました(笑)。一つひとつに結果を必ず出すんだ、とギラついていたことは間違いないですね。
今もその気持ちに変わりはないですが、いただいたお仕事の量に対し、すべてに200%で臨むことはできないと悟って。いっぱいいっぱいになり、何度か溢れましたね」
その言葉どおり、この数年の彼女の活躍は目を見張るものがある。
ブレークのきっかけとなった2018年放送のドラマ『ホリデイラブ』。第一話放送直後から、ネットに「あざとかわいい」という言葉があふれ、演じた彼女へのオファーが殺到。
以来、CM、ドラマ、映画、バラエティに次々出演。文字通り“ブレーク”を果たした。
だが、今でこそすっかり市民権を得た「あざとかわいい」という言葉も、当初はネガティブに捉えていたという。