5.2%―。それは、日本国内で“妻の方が稼ぐ”世帯の割合。
「妻には、仕事を頑張ってもっと輝いてほしい」
笑顔でそう言いながら腹の底では妻を格下に見て、本人も自覚せぬまま「俺の方が稼いでいる」というプライドを捨てきれない男は少なくない。
そんな男が、気づかぬうちに“5.2%側”になっていたら…?
男のプライドが脅かされ、自らの存在意義を探し始めたとき、夫はどんな決断をするのだろうか。
◆これまでのあらすじ
離婚を受け入れることにした新太は、伊織に手紙を書く。最後の最後に話し合うことになった二人は、どんな結論を出すのだろうか?
▶前回:結婚生活が破綻寸前の夫婦。妻に離婚を突きつけられた夫が、最後に賭けたもの
「今日は暖かいね」
柔らかな光が差し込むリビング。新太に話しかけられた伊織は、窓の外に目をやった。
朝日を浴びて1日を迎えたいと、東向きの部屋を借りたことを思い出す。
ここ数か月は外泊ばかりしていたし、夜に荷物だけ取りに帰ることが多かった。この部屋で光を浴びるのは、......
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この記事へのコメント
誰もが想像した離婚せず終わるパターンでしたね。
一条夫妻が、いい関係を築くことを(一応)期待します。五味氏と縁を切った方がいいのは、誰が見ても明白ですけど。