石橋貴明が、ホテルで美女を前にガチガチになりながらも「逆境に立ち向かう大切さ」を語ってくれた！

実は、タカさんは毎日シャンパンを飲むほど泡好きで、日常酒となっているとか。

「好きなシチュエーションは、週末に娘たちにカレーを作ってと言われて、うちは90分煮込むんですけど、その間、労働の対価としてシャンパンを開けて、鍋を横目に好きな音楽をかけて飲む時。

みんなのためにカレーを作っているわけだから、昼から飲んでも誰も何も言わないね、と」

そんな好感度の高い話もあれば、そこはタカさん、「80年代、芸能界はドンペリのピンクじゃなきゃ！みたいな雰囲気があって、あるプロデューサーと一緒だとやたらと〝ピンドン〞になりました」と、丼勘定だったバブル時代の業界話ももっている。

食通も多いその世界に長くいるタカさんが、どういう店に行ってきたか気になるところだ。

具体的な店名を聞くと、最初にある見解を話し始めた。

「自論があって、旨い店のシェフや大将はセクシーだということ。僕が好きな店はみんなシェフや大将が色っぽくて格好いいんですよ。料理もそういうことがお皿に表れて、美味しくなるんでしょうね」

その考えの象徴ともいえる、衝撃的な思い出があるという。

「昔、パリで『ピエール・ガニェール』に行った時のこと。

まだ日本に店がない頃に知り合いが予約をとってくれて訪れると、ピエール・ガニェールさんがガッチリ固めたオールバックでコックコートを着て、店の中をでっかいラブラドール連れて歩いてんですよ（笑）。

シェフの犬ですか？と聞いたら俺の犬だと微笑む。もんの凄く格好よかった！

料理もちょっと遊んでて、ふざけてんのかなみたいなお皿も出てくる。それでいて、満席で60人は入ってるなか、どこで見てんだってくらいに、全席ぴったりなタイミングで次のお皿が提供されていく。しびれましたよ」

では、日本で会った色気のある料理人といえば？

「亡くなってしまったけど『京味』の西さんはもちろんだし、中華の脇屋友詞さんも格好いい。

若い方だと西麻布にある和食『山﨑』の山崎志朗さん。彼は今33歳かな？たぶん10年後には日本の和食NO.1になると思う」

長らくテレビで遊んでいた僕の新しい遊び場が、YouTubeに変わっただけ

タカさんといえば野球への造詣が深いことで知られるが、実は、お酒から料理、旅、文学、アートまで全方位的に引き出しが広い。

米国へ野球観戦に行った際には各都市の名だたる美術館を巡り、たとえばNYでウォーホルの『毛沢東』を観たことを「こんなデケーのかよっ！壁サイズかよ、このやろう！」と昨日の感動のように言って人を笑わせる。

そんな話を聞いていると、私たちはタカさんのような大人がYouTubeに登場し、好き勝手に喋ってくれるのを待っていたのかもしれないと思う。

学生時代は野球部の練習帰りのコロッケ蕎麦を愛し、大人になればパリの三ツ星まで経験したタカさん。

そして、売れない若手芸人からハリウッドスターにまで会ってきた人。広い世界のリアルを体験した大人の話を聞きたい人は、多いはずだ。

潜在的ニーズがあるなかで、2020年6月に『貴ちゃんねるず』は始動した。2018年春に『とんねるずのみなさんのおかげでした』が終了してから2年以上が経ち、世の中はコロナで一変していた時だった。

「僕ら芸能界、エンタメ業界もどうにもならない状況になって、知り合いの飲食やブライダルをやっている人間もみんな大変で、未だまったく、糸口すら見えていないことがたくさんある。

でも、ずっとこのまま塞ぎ込んで一歩も踏み込まないままだと何も変わらない。それとリンクしたわけじゃないですけど、奇しくもそんな時に始まりました」

テレビ界の大物がYouTubeを始めることは大胆な決断に思えるが、密かな野望をもっていたから火がついた。

「僕はテレビから戦力外通告みたいなものを受けていたんで、まあ暇で、コロナも関係なく暇で、どうしようかなあ、このまま芸能界から去っていくのかなと思ったりしていました。

でも、実はまだやりたいことがあった。そういう頃にマッコイ斎藤という演出家が『タカさん、YouTubeやりませんか？』と言ってくれた。自分は見たこともなかったんで、何をやりゃいいの？と最初はまったく分かりませんでした。

ただ、マッコイも僕もテレビのバラエティの延長線上でしかモノを考えられない。で、そのままやったら、意外や意外に（笑）。

嬉しかったのは、とんねるずを知らない若い人たちが見て面白いと言ってくれたこと。

そして、YouTubeを見ない僕ら世代が、〝タカさん、初めてチャンネル登録しました！〞と言ってくれた。違うところ掘ったな、やってよかったなと思いました」