男と女の怪談~25歳以下閲覧禁止~ Vol.3

男と女の怪談:24歳超絶美形の幼な妻。年収2,000万42歳の男がハマった禁断の手管

正体不明の違和感


「初めまして、美咲と申します。和彦さんからいつも話を聞いている、親友の勝吾さんにお目にかかれて嬉しいです」

指定された『レストラン ヒロミチ』は本格的なフレンチで、妻の瑤子もぜひと声をかけられていたため、連れてくるのがスマートだったかなと思ったが…。

―あいつがここにいなくて本当に良かった。

俺は美咲と名乗った和彦の彼女に、くぎ付けになっていた。

ヘーゼルの濡れた瞳と、桃色に光る唇、つんととがった鼻梁。鎖骨が隠れるほどの艶のある髪を持つ、圧倒的に若く美しい女がそこにいた。

「なんだ和彦…いつの間にこんな女優さんみたいな綺麗な女性を射止めたんだ?」

なんとか余裕を見せようと、努めて鷹揚に笑いながら、当然のようにぴったりと寄り添って座る二人を代わる代わる見た。

そういえば和彦の実家は神奈川の大地主だったと、頭の中は邪念でいっぱいになる。

「いや、もう女の人はこりごりだなんてお前に散々言ったからな…。今さら好きな人ができた、しかも24歳だなんて相談できるかよ」

「24!?」

俺はきっと正面の二人から見て、滑稽なほど驚いたことだろう。それがおそらく和彦の優越感をくすぐるに違いないと思ったときはもう手遅れだった。

和彦は司法浪人をしていて、俺よりも三つ年上の42歳だ。彼女とは18も離れていることになる。

俺はとっさに、妻の瑤子のことを思い出す。瑤子は34歳だから、和彦の彼女は10歳も年下ということだ。

首の下に広がる、白くすべすべとした胸元がやけに目についた。


「勝吾さんは、奥様と大恋愛の末にご結婚されて、5年経ってもとっても仲良しだって伺いました。私たちのお手本なんです。ね、和彦さん?」

彼女がにっこりと微笑むと、隣のテーブルの男がちらりとこちらを見たのが分かった。

―俺と和彦は、年齢も年収も大差ない。それどころか、見た目は俺のほうがいいはずだ。それなのにこいつだけ、こんな若くて綺麗なトロフィーワイフなんてそんな馬鹿な…!

和やかに食事は始まったが、俺はなんとか、この「夫婦」のアラを探そうと必死になった。

和彦の実家の金目当てに違いないと思うものの、美咲という女の話術や匙加減はなかなかのものだった。

俺たちの話を聞きながら、心地よい頻度で会話に笑顔で混ざってくる。自分のことには終始一貫して謙虚だった。

―完璧じゃないか、くそ。和彦の奴、ワインスクールでこんな拾い物してくるとはな。

アラ探しを諦めたとき、彼女がウェイターを呼ぶために、初めて和彦と反対のほうに顔を反らした。

その時、俺はあることに気が付き、息をのんだ。

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