東京テラス族 Vol.2

「う、嘘だろ…!?」34歳の男がずっと憧れていた美女の、衝撃のヒミツとは

「は?」「え?」

僕と優子の声が重なり合う。麗華の突拍子もない提案に、誰より驚いたのは僕であるが、それは優子も同じだったようだ。

「デートって…二人で、ってこと?」
「当たり前じゃない。デートなんだから」
「いやでも…」

モゴモゴと口ごもっていると、さっきまでずっと携帯をいじっていた修二も身を乗り出してきた。

「いいじゃん。二人で行ってくれば?面白そうだし」

修二には、こういうところがある。自分ごとでなければ基本的に人に興味がない。たまに興味を持ったかと思えば、“面白いかどうか”で判断する。

しかも一番困ったのは、優子がいつのまにか完全に乗り気になっている点だった。

「いいじゃん、裕太。デートしようよ♡」

花が咲いたようにパッとした優子の笑顔と、麗華の微笑。そして修二のニヒルな笑み。

テラス席には周囲の楽しそうな声が響きわたり、すっかり賑わっている。ギラギラとした太陽の光を浴びながら、夏が持つ不思議なパワーを感じていた。




結局、麗華と優子の押しに負け、僕は優子と二人でドライブへ行くことになった。

「ったく。麗華はどういう風の吹き回しなんだよ…」

別に優子の事は嫌いではないが、その思いに応えることはできぬまま今に至っている。

それは果たして、麗華という存在がいるからなのか、単純に優子が友達以上に見えないからなのか…。

そもそも、麗華が突然僕たちをくっつけようとしている意図が全く分からなかった。

「お待たせ〜」

優子の家の前でぶつくさ言いながら待っていると、彼女がやってきた。

しかし今日の優子は、珍しくスキニーデニムにノースリーブのサマーニット…と、いつもとは違って妙に大人びた雰囲気を醸し出しており、不意に目を奪われてしまった。

「じゃあ、行こうか」

ノースリーブから伸びる、少しモチッとしていて触り心地の良さそうな二の腕。迂闊にもドキッとしながら、僕はあくまでも冷静なふりをして車のエンジンをかける。

「うん!裕太、今日はありがとう。さっき下でお茶とお水を買っておいたんだけど、いる?」
「う、うん。ありがとう」

二人きりになってしまった車内は妙に静かで、僕は気を紛らわすために音楽のボリュームを上げる。

「いい天気だねぇ♡行き先、葉山だよね?」
「そうそう。親父の別荘が昔あったから、よく行っててさ」

そして、優子の住む恵比寿から明治通りへ抜けて、天現寺方面へと向かう。

しかし、インターチェンジへ入ろうとした少し手前のことだ。

「あれ?麗華じゃない…?」

ちょうど慶應幼稚舎の反対側の辺り、『天現寺カフェ』の目の前くらいだった。

カフェから、サングラスとマスクをしている女性が出てきたのだが、そのオーラや服装からして間違いなく麗華だ。

「あれ。本当だ。一人で何やってんだろうな」

話しかけようとして車を止めようとした、その時だった。麗華は、その数秒後に背後からやってきた男性と仲良く手を繋いで歩き始めたのだ。

「え・・・?」

思わず、二人揃って声にならない声が出てしまった。


なぜなら、麗華が手を繋いでいた相手は、相当年上のオッサンだったのだ。


【今週末の東京テラス族】

店名:『TWO ROOMS GRILL | BAR』
住所:港区北青山 3-11-7 AOビル 5F


▶前回:生まれながらの格差に、抗えない…。30歳の丸の内OLが友人に劣等感を抱く理由

▶NEXT:8月1日 土曜更新予定
それぞれに抱えている秘密が、今暴かれていく…!!

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※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

この記事へのコメント

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No Name
えっと、20代の若者の話じゃないんですよね?たしか。。。
2020/07/25 06:2171返信5件
No Name
4歳も学年が下で大学から入学の優子が、裕太、修二って呼び捨てしてるのってなんか違和感。
4つも年下だと、大学時代も接点無しなのに。テラスが好きってこと以外に、どんな共通点があるのだろうか。
2020/07/25 06:3453返信20件
No Name
お蝶夫人がオッサンと歩くなんて!
2020/07/25 05:2748返信36件
No Name
なんか4人ともガキっぽく感じちゃうね
2020/07/25 07:3626返信5件
No Name
なんだか、相変わらず
現実離れした話だなぁ
なぜか、入り込めない
2020/07/25 07:2021返信3件
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