「もうムリ…我慢の限界!」良妻を演じている女が離婚を考えた、夫の不用意な失言とは

良妻の仮面を外したとき…


事件が起きる発端は、夫婦喧嘩だった。

「実は、我が家はチワワを飼っていて、私が泊まりで外出をするときは、夫に世話を任せる必要があって。

もちろん彼には仕事があるので、そういう場合は必ず事前にスケジュール調整をします。

…と言ってももちろん、滅多にあることではありません。先ほどからお話ししている通り、私は夫のサポートを最優先に生活してきたので」

泊まりで外出というのは、範久と出会うきっかけにもなった学生時代の親友との、京都紅葉&グルメツアーだったという。

良妻を目指すあまり疲弊していた未央を心配して、親友が「たまには息抜きしなきゃダメ!」と言って、小旅行に誘ってくれたらしい。

「私もとても楽しみにしていたので、随分前から夫に伝えていました。それなのに、私の話を夫が完全に聞き流していて。1週間前に念押しをしたら『なにそれ、聞いてない』『出張を入れた』とか言い出したんですよ。もう、頭にきちゃって…。

1泊くらいならペットホテルに預けるという手も、あるんですけど。

でもうちの子非常に甘えん坊で繊細で、以前試しに預けてみたところ、ご飯も食べずトイレもしないでずっと震えていたんです。もう二度とそんな思いをさせたくなくって」

結局、未央は小旅行を泣く泣くキャンセルしたそうだ。

友人には平謝りで許してもらったが、電話口で「本当にごめんね」と繰り返すたび、ふつふつと怒りが湧いてきた。

「悪いのは私じゃなくて、彼ですよね。

彼がきちんと妻の話を聞き、予定をメモし、スケジュール管理してくれればよかったのにって。

そのとき私、急にぷつっと糸が切れた気がしたんですよね…」

未央はついに、範久に対し感情を爆発させた。

結婚して3年が経っていたが、未央が夫に対しヒステリックに声をあげるのは、これが初めてだったという。

「私はこんなにやっているのに、範久に合わせてきたのに、どうしてあなたは私に合わせてくれないの?合わせようという気がないの−!?って自分の想いを伝えました。でも、彼なんと言ったと思います?」

そんな風に畳み掛けた未央に、夫は困惑しながらも弁護士らしく淡々と冷ややかな口調で、こう言い放ったという。

「いや…落ち着いてよ。別に僕、未央に合わせてくれなんて頼んでない!」

−別に僕は、頼んでいない−

「そう言われてしまえば、確かにそうなんです。

範久から仕事をセーブするよう頼まれたわけではないし、毎日一汁三菜を準備するよう指示されたこともないのもわかっています。

彼の都合に合わせろなんて、一度も言われたことはないですし。すべてはただ、私が勝手にやってきたこと。

だけど正直ショックで…。だってすべては彼のために、二人の結婚生活のために、良かれと思ってしてきたことなんです。こんなことなら、好きな仕事をセーブしてまで尽くすんじゃなかった」

これまで未央は、話の中で何度も「夫のために」「家庭のために」と口にした。

献身的な彼女の思い自体は美しく、決して悪いことではない。

しかし少々バランスを欠いてしまったことが空回りを生み、逆に夫婦関係をギクシャクさせてしまったようだ。


▶NEXT:1月11日 土曜更新予定
良妻キャラだったのに…。突然爆発した妻に対する、夫の意外な思いとは

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