目も舌も肥えた大人たちの集いには、持ち寄る手土産もセンスが必要。ホストのメイン料理を邪魔せず、なおかつ場が盛り上がるものがいい。
気分が上がる高級食材や名店の逸品を少量、サラリと持っていきたい。
重厚なボックスに鎮座するパリ屈指の上質キャビア
『MAISON BOUTARY』の「CAVIAR BAERII」
王道のフレンチはもちろん、肉や鮨にまで……。
高感度な店ではいま、スペシャリテを彩る食材として、もっとも多く登場するのがキャビアだろう。
しかし、キャビア自体を楽しむ機会は、実はあまり多くない。
レストランで食すその特別なものを、ホムパでシャンパンとともに心ゆくまで味わう。
そんなスペシャルな体験が、宴をよりラグジュアリーにする。
2012年に誕生したパリのキャビアメゾン『メゾン ブタリ』。本国では直営のビストロも手掛けるほど、フランス人の間ではよく知られた存在だ。
昨夏、赤坂にオープンした日本1号店では、キャビアのテイスティングも体験できる。
「バエリ」はクリーミィで、口の中でトロリと溶ける旨みとコクが特徴。
さらりと出して粋なのは、有名店の重厚な鮨
『銀座うち山』の「あぶり鯖ずし」と『銀座 鮨青木』の「太巻」
若者から大人まで共通していること。それは、宴には〝ごはんもの〞が必要だということ。
そしてここは、ストレートに鮨、という選択を推したい。最高の素材に職人の技、丁寧な仕事。
そして随所に一流を感じさせる名店の鮨であれば、場の空気が盛り上がること請け合い。
〝日本人に鮨〞は、やはり鉄板なのだ。
『銀座うち山』の「あぶり鯖ずし」は最高級として知られる三浦半島の松輪サバの表面を香ばしく焼き上げ、キリッと端正な酢飯とガリを合わせた逸品。
手渡された紙袋から伝わるのは、意表をつくほどのずっしりとした重み。期待に胸をふくらませ包みを開ければ、身厚な鯖に驚く。
一切れずつ切り分けてあり、ホストの手をわずらわせないのもいい。
そして『銀座 鮨青木』は世界最高峰の鮨屋が密集する銀座の中でも別格だが、懐は深く、「おもちかえり鮨」は¥3,000から用意されている。
玉、かんぴょう、椎茸、三つ葉、芝エビのそぼろ。具材はごくシンプルながらも、その優しい甘みにほだされる。
まろやかな酸味のシャリとの相性も絶妙。時間が経っても損なわれない老舗の味を堪能したい。