世の中は、弱肉強食の世界だ。
特に、この東京で生きる男たちにとっては。
皆、クールな顔をしながら、心に渦巻くどす黒い感情を押さえつけるのに必死だ。
弁護士としてのキャリアを着実に重ねる氷室徹(34歳)は、パートナー目前。年収は2,000万を超える。圧倒的な勝ち組と言えるだろう。
しかし、順風満帆に見えた彼の人生は、ある同級生との再会を機に狂い始めていく。
思い上がり、嫉妬、嘘、過ち、復讐…。
一体何が、彼の人生を破滅させる引き金となったのだろうか。
◆これまでのあらすじ
クライアントとの食事中、奇遇にもかつての同級生・堀越に遭遇した氷室。「懐かしいな」と声をかけると、堀越は涙を見せた。混乱する氷室だが…?
「お前もこれ、好きなんだな」
思い出されるのは、20年も前の記憶。
氷室が同級生である堀越に初めて話しかけたのは、好きなゲームが同じであることがきっかけだった。
なぜそれが発覚したのか、記憶が曖昧だが、確か堀越の机の上に雑誌が広げられていたような気がする。それがゲー......
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この記事へのコメント
涙を流すほど記憶に残るのは、恋愛か憎悪くらいのものでしょう。
悪意のない出来事であっても、やった人は覚えてないが、やられた人は覚えてる。
悪意があれば、尚更だ。
自分で手を下さなくも時を経て必ずいいことも悪いことも返ってくるものだと思ってます