「郊外に住むサラリーマンなんて、興味なかった」都内在住のOL27歳が、茨城に嫁いだ理由

東京は、飽きない街である。

東京都の人口は、約1,400万。47都道府県ある中、1割以上の日本人は東京に住んでいるという計算だ。

その分、人との出会いが多く、刺激的な仕事も多い。この生活に慣れると、東京以外で暮らすということが考えられなくなってしまう。

もしそんなとき、“東京以外に住む”という選択肢を提示されたら…?

これはそうした経験をした(している)人の、リアルな体験談である。

東京以外での生活は、アリだった?ナシだった?


<今週の地方在住者>

名前:亜矢子さん(仮名)
年齢:35歳
住居:茨城県守谷市


「…主人も子供も、ここのドーナツをお土産に買って行くと、すごく喜ぶんです」

守谷駅近くの大型ショッピングモールにある、某ドーナツチェーン屋で、彼女はそう言って笑った。

上品なグレーのニットにジーンズというラフな格好だが、首元には、一粒ダイヤのネックレスがきらりと光る。その洗練された雰囲気は、この場所では少し浮いているように見えた。

「私は実家が代々木上原なんですが、近所にすごくお洒落なドーナツ屋さんがあって。でも主人は『ここのチェーンのドーナツの方が絶対美味しい』って言うんです。無添加で自然な甘みが売りの、美味しいドーナツなのに…」

東京出身の彼女が茨城に嫁いだのは、ちょうど7年前のこと。

「結婚を機に、ここ守谷に移り住みました。2005年につくばエクスプレスが開通したので、都心には大分出やすいんですよ」

茨城県守谷市は、茨城の南部に位置し、人口は約6万8千人(2019年9月1日現在)。東京都心までは約35キロ、つくばエクスプレスの快速を利用すると、秋葉原までは約32分で行ける。

「引っ越した当初はこの土地に馴染めないような気がして居心地が悪かったです。特にそう感じたのは通勤のときですかね。ブランドの大きな鞄を抱えて、マノロブラニクのヒールで40分弱かけて通勤している自分が、すごく滑稽に思えました」

東京出身で大手企業に勤めていたという彼女が、なぜ茨城在住の男性と結婚にまで至ったのだろうか?

「実は私、20代のときにお付き合いしていた人に騙されていて…。主人とは、お見合い結婚なんです」

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