2019.10.13
東京発⇒地方行き Vol.2だが結納から結婚式、そして引っ越しまで一連のイベントを済ませ茨城に住み始めると、やはり東京が恋しくなったと言う。
「悔しかったから、失恋後も会社は辞めずに、守谷から通勤していたんです。でも先ほど話したように、初めての長距離通勤、初めての土地になかなか慣れなくて…」
独身時代のように、会社帰りにふらっとお洒落なお店でディナーをすることも、買い物できるわけでもない。
「とは言っても、守谷はど田舎という訳でもないし、便利ではあるんです。ショッピングモールやホームセンターがあって生活に不便はない。ただいくらそう言い聞かせても、どんどん自分が色褪せていくようで…焦りました」
慣れない生活にストレスが溜まり、通勤時には蕁麻疹が出るときもあったと言う。しかしそんなとき、ご主人との間に新しい命を授かった。
「妊娠を機に、それまで勤めていた会社を辞めたんです。悪阻がかなりひどくて通勤するだけで一苦労だったし、妊娠初期に不正出血もあって」
会社を辞めると、都内に出る機会はほとんどなくなったが、妊娠して初めてこの土地の良さに気づいたと言う。
「主人は小学校から大学までずっと茨城なので、地元愛がかなり強いんです。友人も、行きつけの病院も、美容室も全部守谷で完結している。それが最初は正直、『世界が狭いな』と思ってしまうこともあったのですが、助けられた部分も多くて」
まず、妊娠中から体調を崩しがちで、生まれてきた息子さんも病気がちだという彼女にとって、個人クリニックから総合病院まで、医療ケアが充実していたのが有難かった。
「主人が赤ちゃんの頃から通っている内科が近くにあって、そこに息子も通わせています。息子は病気がちなので、本当助かっています。あと公園も多くて、中心地に10個くらいはあるので、子供を育てるのにとても良い環境ですね」
また地元愛の強い人が多いため、そのネットワークに助けられることも多い。
「休日は主人の幼馴染とバーベキューしたり、家に遊びに行ったり…。親戚も大体この辺りに住んでいるので、核家族、という感じがしないですね。何かあったあときはお互い様、という雰囲気です。この間ついに主人が3歳の頃から通っている美容室に息子を連れて行ったら、全く同じ髪型になっていて、思わず笑っちゃいました」
こうして、ようやく茨城の良さを受け入れられた彼女は、あることに気づいたと言う。
「私は東京出身なので、それが当たり前だと思っていたのですが…。東京って自分が“何者”かになっていると思わせてくれる街なんです。だって多少自由になるお金があれば、お洒落なレストランに行けるし、トレンドの服もすぐ買えるし、人脈を少し辿れば有名人にだってすぐ会えますから」
東京という街のおかげで自分が成り立っていた、と話す亜矢子さん。実は最近、息子さんが小学校に入り、仕事を再開したと言う。
「大学の先輩が結婚して同じ沿線に住んでいて、教育関係の会社を立ち上げたんです。私はそこで、PRとマーケティングの仕事をしています」
その女性経営者は、亜矢子さんと同じく出産を経て会社を辞めたという。そして東京でのキャリアを活かし、いま住んでいる土地に貢献しようと起業したのだとか。
「これからは東京の刺激に頼るのではなく、家族を大切にしながら自分の人生をしっかりと生きたいと思います」
どうやら茨城での生活で、自分の“軸”を見つけたようだ。
「まぁそんなきれいごとだけじゃなくて、子育てがもう少し落ち着いたら、都内でショッピングや食事をもっと楽しみたいですが(笑)」
そう締めくくった彼女は、今日一番の笑顔を見せた。
▶NEXT:10月20日 日曜更新予定
東京人が、思わずコンプレックスを感じてしまう土地とは・・・
最近の東カレ不倫だのマウンティングだの薄っぺらい男の話とかだし。(前から?)港区おじさんみたいにホッとできるお話も読みたい
旦那が高校の時柏でカツアゲに遭って、一緒にいた友達が「オメェどっから来たんだ?!」と聞かれて守谷と答えたところ、「モリヤァ?!聞いたことねぇわ!」と言われて守谷出身であるという一事をもって殴られたというエピソードを話してたことを思い出しました😂
ごめんなさい。
【東京発⇒地方行き】の記事一覧
2019.11.24
Vol.9
「これ、変わったお味やね」京都に嫁いだ東京女を悩ませる、姑の遠回しな嫌味
2019.11.17
Vol.7
「博多への移住で人生が変わった」夫の転勤で仕事を辞めた32歳妻の、華麗なる転身とは
2019.11.10
Vol.6
「夫のいない間に、若い男性と…」駐妻が明かす、コミュニティー内に蔓延る禁断の恋愛事情
2019.11.03
Vol.5
「一刻も早く子どもが欲しいの」。地方暮らしに馴染めず、夫婦生活が破綻した妻のとった行動とは
2019.10.27
Vol.4
“慶應一族”で育った妻が抑圧から解放された、大阪人の「知らんけど」精神の威力とは
2019.10.20
Vol.3
「実家はどこ?」「中学はどこ?」神戸で受けた2つの質問で感じた、東京女のコンプレックス
おすすめ記事
2019.10.04
東京発⇒地方行き Vol.1
東京発⇒地方行き:「最強の勝ち組だと思っていた」生粋の東京女が驚愕した、地方暮らしのリアルとは
- PR
2023.03.24
挑戦を続けるローランドがワイン片手に語った「新たな一面の見つけ方」とは?
2022.11.09
8rules~エリカのマイルール~
彼のお金でハワイへ。しかし空港で驚愕の話を聞かされ…女が「帰りたい」と青ざめた理由
2018.03.04
天現寺ウォーズ
お受験ママからの非情過ぎる密告。平凡サラリーマン家庭から慶應幼稚舎は、やっぱり無理なの?
2019.08.05
人生の定点観測~東京女の就活事情~
「女子=一般職」に潜む罠。総合商社への就職を狙う22歳女に立ちはだかる壁とは
2015.08.29
あぁ、素晴らしき結婚生活
好感度120%の清純派カップル!?会社役員×美人奥様の華麗な結婚生活(後編)
- PR
2023.03.24
「終電までならいいよ」と言われ、男が2軒目に連れて行った意外な場所とは
2016.05.11
今日会えるイケメン店員
今日会えるイケメン店員:中目のワインバーのオーナーは客を変な色目で見ていた時代もあった!?
2023.03.21
二世お受験物語
二世お受験物語:「この子を、同じ学校に入れたい…」名門校を卒業したワーママの苦悩
2016.09.11
東京ルールブック
東京ルールブック:26歳。男は「渋谷」、女は「年上男性」は卒業。貯蓄よりも経験値を上げることにフォーカスせよ!
東京カレンダーショッピング
ロングヒット記事
2023.02.27
東京タワマン族
「下心はないから」と言われ、デート2回目で彼の部屋へ。しかしたった1時間で帰宅した、まさかの理由
2023.02.22
未解決恋愛事件
深夜0時。彼女から「今、仕事終わったよ」と写真付きで連絡が。そこには“あるモノ”が写り込んでいて…
2023.02.19
男と女の答えあわせ【A】
「この人、もしや結構おじさん…?」デート中の女性がガッカリする、男性がしがちな“アノ話題”とは
2023.02.23
29歳のグレー
「実は私、別れた後…」3年ぶりに元カノに会って、驚きの報告をされて
2023.02.19
New Yorkに憧れて
「こんなモノ、いらない…」花嫁が義母からもらった“恐ろしい結婚祝い”とは
2023.03.04
男と女の答えあわせ【Q】
「デートで高級店でもおごってくれる彼。私に気があるかと思っていたら…」男がフェードアウトした理由
2023.03.03
もう片隅で、凍えないよう
「なにこれ?」同棲初日。彼の段ボールを誤って開封したら、まさかのモノが入っていて…
2023.02.14
ナシ子先輩の幸福な人生
お鮨デートの後、彼とタクシーへ。しかし彼は数分で「降りよう」と言い、予期せぬ行動に…
2023.03.02
ゴールは結婚だけですか?
「ここって…」初めてのお泊まりデートで、女が年下男に連れていかれた意外な場所
2023.03.10
スモールワールド~上流階級の社会~
スモールワールド〜上流階級の社会〜:友人の結婚式で受付を頼まれて、招待客リストに驚愕!そこには、ある人物が
この記事へのコメント