クジラノトミスイ

鯨の登美粋

今こそ、あえての鯨を食らう

鯨を食べよう。
今年三月、国際司法裁判所は、日本政府に対し南極海の調査捕鯨が、国際法違反との判決を下した。

この判決を機に、国内ではさまざまな意見が飛び交った。なかには、鯨油搾取のために乱獲していた米豪がなぜ反対するのか、伝統的食文化を守れといった、ナショナリズム的意見が多かったように思う。
しかし我々は……鯨を食べているのだろうか?かくいう私も、去年は2回しか食べていない。

伝統とは過去から未来につなげることである。ならば今行うことは、鯨を食べることだと、築地に向かった。向かうは、鯨問屋が営む『登美粋』である。
おなじみ立田揚げや鯨カツ。刺身やユッケ。百畳(胃袋)や百尋(小腸)といった珍しいものまで、ずらりと鯨料理が並んでいる。
中でもお奨めは、「塩煮込定食」800円に「立田揚げ」350円をつけた定食である。

まずはからりと揚がった立田揚げでごはんを掻き込む。鯨の鉄分と衣の香ばしさで、ごはんが進む。
次に塩煮込をごはんにかけて、茶漬けの勢いで、ザブザブッ。コラーゲンの甘みが溶け込んだ汁と、ごはんの甘みが混ざり合い、思わず顔がにやける味である。
唇が、ぬめりとする感じもいい。柚子こしょうで、味を締めてもいい。これでクセになったら、次回はユッケを頼み、ごはんにのせてユッケ丼にするのもお奨めである。
楽しみはつきない。さあ、鯨を食べよう。

●まっきーまきもと
"タベアルキスト"として、さまざまな雑誌で執筆する他、食通からの信頼も厚い『味の手帖』顧問も務める。早くて安くて旨い! 1000円台で味わえるパワーランチを提案


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