今夏、自身初のソロアルバムをリリースし、現在、ライブツアーで全国を駆け抜けているアーティスト、宇野実彩子さん。
だが、アーティストという立場を離れ、素に戻ったとき。
そこには恋、キャリア、将来に揺れる、リアルな33歳の女性の姿があった。
―― about 恋愛
ソロアルバムに収録されている全楽曲の歌詞はすべて彼女自身が紡いだもの。
高揚感にあふれた恋の始まりから、切なすぎる別れまで。
女性の感情をストレートに綴り、ストーリー性のある展開は、どの曲も即座に情景が頭に浮かぶ。
中でも印象的だったフレーズは、今回のアルバムを代表する曲、『Honey Stories』の最後の一節にあった。
「君と出逢って 愛を知りました」。彼女自身は、どうだろうか。
「〝結婚するなら、大恋愛した相手としなさい〞という母の言葉が、ずっとささっていて。
でもその一方で、〝いやいや、結婚は現実的に考えたら、そうじゃない部分もあるでしょ〞とツッコんでいる自分もいたり(笑)。
いわゆる〝結婚の条件〞って、なんだろう?とか、アラサー女子特有の〝あるある〞的な悩みは、当然みなさんと同じようにあります。
理想と現実のギャップがだんだん自分事としてわかるようになってきた……〝大人〞の年代なのだと思います」
そう言って笑う宇野さんだが、恋愛観に関しては、昔も今も変わっていないと言う。
「いろんな恋の経験を重ねてきた結果、自分の中に〝恋愛想定問答集〞のような参考書は持っているつもりなんです。
このあいだはこうだったからこうだよな、とかね。
恋が終わるごとに、いっぱい反省して成長してもいる……はずですし。
でもいざフタを開けてみたら、参考書の中身はごっそり忘れて、結果的にまた同じことを繰り返しているという(笑)。
恋愛においては、全然成長できていないですね。でもそこが私の軸というか。変わらない、変われない部分。
やっぱり、心を使ってしまうのが恋愛じゃないですか、頭ではなくて。
だから、たくさん鎧を着てガードしているはずなのに、いざ始まったら素っ裸で駆け出してるじゃん、私みたいな(笑)。
分厚い参考書は意味をなさない。それはきっと、これから歳を重ねても変わらないんじゃないかな」
恋に落ちる男性のタイプに変化はあったのかと聞いてみる。
「自分がときめく人って、ルックスにこだわりはあるとは思います。美少年がいいっていうことではなくて、私には輝いて見える人、という意味で。
でも〝好きになる男性の条件〞って聞かれてしまうと……仕事もけっこうハードだし、本当は落ち着いた平和な恋愛がしたいと、思ってはいるんです。
でもね、どうもそっちの方向にはいかないみたいです、私。
離れたいのに妙に惹かれてしまう人、あらがえない魅力がある人が好きなのかな。
仕事でも考え方でも、スタイル、雰囲気でも……彼の持つ何かしらが、私の心をもっていってしまう。
で、恋に落ちている(笑)」