待ち合わせは新宿南口。婚活中の32歳女を閉口させた、男のデートプラン

彼女が、勘違い男・笹川大輝と出会ったのは、今から2ヶ月前のこと。

大手広告代理店勤務の34歳、目黒在住。マッチングアプリを通じて、彼の方からアプローチがあったそうだ。

「プロフ写真の段階で割と好みのルックスだったんです。イケメンってわけじゃないけど、私の好きな濃いめの顔立ちで、清潔感もあって。まだ夜の予約が入っていない日を彼のために空けて、会うことにしました。最初のデートで彼が予約してくれたのは、恵比寿の『十番右京』でした。

向かい合わない、かつ自然と距離が近くなるカウンター席を選んできた点も“慣れているな”という感じで、アラカルトのオーダーもスムーズにリードしてくれて。会話の引き出しも多く、さすがは代理店マンだと感心しました。

アプリのプロフ写真って、女だけじゃなく男も盛ってる場合が多いんですよ。でも笹川さんの場合はむしろ、実物の方が良いくらいでした。一緒にいて楽しいし、正直、かなりいい感じだったんです。

なんで今まで独身だったんだろう?という疑問は確かにわきましたが…けどそれを言ったら、私だって同じですからね(笑)」

百合が好感を抱いたのと同様、彼も彼女を気に入った様子だったという。

その日のうちに「また会いたい」と言われ、すぐに2度目のデートをすることになった。

ところが。この2度目のデートの行き先というのが、百合の想像の斜め上をいっていたとのこと。

「彼は会社員で、昼間にデートをしようとすると必然的に土日になりますよね。でも私のエステサロンは火曜定休で土日はむしろ、稼ぎどきなんです。だから、彼と会うために無理くり予約を調整しました」

定休日も店を開けるなどして、常連のお客様に頭を下げ予約を無理やり変更してもらい、どうにか週末にオフを作ったそうだ。

そのくらい、百合の中で笹川は高評価だったのだ。

「“行きたいところがあるから、新宿で待ち合わせよう!”って約束をした週末の、およそ1週間前に彼から連絡がありました。この時点で、若干嫌な気配を感じました。

新宿で一体何を…?って思うじゃないですか。行きたいところってどこだろう?考えてみても、まるで見当がつかないし。まあでも、彼がせっかく計画してくれているのに水を差すのも悪いと思ってしまって…結局、何も聞かず、何も知らされないまま当日を迎えたんです」

そうしてやって来た、デート当日。

時間に5分遅れ、笹川は待ち合わせ場所・新宿駅南口に現れた。

そして、非常にご機嫌な様子で「百合ちゃん。今日は俺と一緒にお笑いを見よう!」と言ったらしい。

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