いい店が「三軒茶屋」に増えている!日常の最高峰イタリアンは行く価値あり

銀座や西麻布、青山など港区界隈に密集する話題のレストランは、接待やここぞのデートにはいいけれど、なんてことない日常のなかで行く時は、もっとこなれた店がいい。

そんな大人たちの思いに応えるかのように、近頃では、郊外に注目店が増えているのだ。

その最たるレストランが三軒茶屋の外れに誕生したトラットリアだ。

「白レバーのマルサラ煮マルタリアーティ」¥1,900。マルタリアーティとは、イタリア北部のパスタのひとつ。コクと甘みのあるソースと好相性


素材の味をとことん引き出す“飾らない味”に定評あり!
『コジコメ』


今、郊外が熱いのをご存知だろうか。肉の名店神楽坂『カルネヤ』や六本木『祥瑞』で修業した料理人が腕を振るう、評判の肉ビストロ『ムーグルモン』は西永福、また、神楽坂の老舗中華『芝蘭』の料理長を務めたシェフは巣鴨で独立等々。

三軒茶屋もしかり。連日満席の名店『ナティーボ』やメキシコから初上陸した『ロス タコス アスーレス』…。いずれも、一流店に決して引けを取らぬ質の高い料理を誇る。ワンランク上の日常店だ。


そして、この6月にまたひとつ、話題のイタリアンがオープンした。世田谷は三軒茶屋の外れにひっそりと佇む『コジコメ』がそれだ。

ユニークな店名の意味は、イタリア語で“そのまま”という意味だそうで、「自分の気持ちそのままに、その日に作りたい料理を作っていきたい」そんなご主人、井村俊介シェフの思いが込められている。

それゆえ、料理は日によって少しずつ変わるそうで、メニューはマダムの手書き。ノートに記された内容を日めくりで読むのも、食いしん坊なら、心弾むひとときだろう。

「ブルターニュ産仔鴨と夏トリュフ」¥3,000。皮目をフライパンで焼きつけた後、オーブンに出し入れしつつ焼き上げた仔鴨は、身はしっとり、皮はパリッと絶妙な仕上がり。夏トリュフの香りも贅沢。料理はいずれもふたりでシェアできるボリューム。

「トマトとスイカの冷たいスープ」¥900。ほんのりスイカの甘みを足したガスパチョ。爽やかな酸味と香りは、残暑に嬉しい佳品。

料理も店名通り、素材そのままのシンプルな料理が多い。そしてそこには、井村シェフの歩んできた道が自ずと現れているようだ。

辻調理師専門学校を卒業後、名古屋のカフェを経て、アロマフレスカグループに入った井村シェフ。その後、系列店の『カーザ・ヴィニタリア』に配属。ここで当時シェフだった笹川尚平さんに出会う。

後に、笹川シェフの独立に伴い、広尾『ボッテガ』で2017年の創業当初から補佐を務める。その片腕を見事にまっとうし、独立を果たしたというわけだ。

「ジャンボししとうとペコリーノチーズ」¥900。肉厚のししとうにチーズが絡み素朴な美味しさだ


また、井村シェフは、渡伊の経験がない。それゆえ、素材の組み合わせ方の発想がいい意味でどこか日本的なのだ。

「ジャンボししとうとペコリーノチーズ」は、いわば焼いたししとうに削り節と醤油ならぬチーズとオリーブ油をかけた一品だし、「ギアラと豆の煮込み」は「肉じゃがをイメージしてじゃがいもを入れてみました」とは井村シェフ。

本場仕込みの尖った料理より、発想的にどこか居酒屋を匂わせる緩い感じの料理の方が、こうした普段着の店にはよく似合う。

それでいて技術は本物。味付けはきちんとイタリアン。そのギャップもまた、魅力のひとつだ。

「ギアラと豆の煮込み」¥2,200。『ボッテガ』譲りのもつ煮込み。ギアラは牛の第4胃。思わずワインが欲しくなる味わいだ。おまかせコース¥6,000~もある。

アラカルトメニューが中心ゆえ、夜遅めは、ワインバーとしても利用可能。ワインは、井村シェフの好みを反映して、イタリア中心に自然な作りのワインを多くそろえている。グラスワインは¥800~。ボトル¥5,000~。

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