既婚男の勘違いとは?食事会で男が“イケる”と思ってしまった女の言動

「事が起きたのは、つい1週間前のお食事会です。私、学生時代から仲良しの隼人っていう男友達がいるんです。彼、総合商社に勤めているんですが、商社の若手って大変ですね。先輩たちから毎週のように食事会のセッティングを頼まれるみたいで。

頻繁に、隼人からヘルプ要請がくるんですよ。可愛い子集めてくれ、頼む!って。自分で言うのもなんですが、私は割と顔が広いので、同世代の綺麗な女の子を集めることくらいお安い御用。その日も粒ぞろいの独身女子をセッティングしました。可愛いだけじゃなく気が利いて、隼人の先輩たちにも失礼にならないような子を集めたんです」

しかし当日の、しかも夕刻になってから美咲に、あるメールが届いたという。

「男性側のメンバーに、佐竹さんという34歳の人がいたんです。それは前から知っていて、随分年上だなぁ、まだ結婚してないのかぁ…なんて思っていたら、案の定。

実は佐竹さんだけ既婚なんだけど、他の女の子たちには黙ってて欲しいって謝罪と懇願のメールが届いたんです。もうメンバー変更できない直前になってから白状するなんて、隼人もずる賢いですよね。文句は言ってやりましたけど、渋々了承しました」

ところがここで既婚男の参加を許してしまったことが、美咲にとって面倒の始まりとなってしまったという。

「既婚者が参加するのは1万歩譲って許すとしても、だったら立場をわきまえてもらいたい。それなのに佐竹さん、他の若い独身男を差し置いて、自分が自分がってアピールがすごかったんです。

ありえないって思ったんですけど、何も知らない大切な可愛い女友達が、既婚男の毒牙にかかってしまっては困る、そう思って唯一事情を知る私が盾になろうと決めました。だから、二次会のバーでは、率先して佐竹さんの隣に座りました。まあ、もともと私は女側の幹事だし、損な役回りも買って出ないと仕方ないですからね」

美咲は、心を無にして最低限の相槌をうっていたという。だが佐竹はそんな美咲のテンションにまるで気づかず、上機嫌で空気の読めない提案をしてきたそうなのだ。

「この中だったら誰が好みか言い合おうって囁いてきて。しかもそう提案したあとすぐに、媚びるような目で『俺は美咲ちゃん』とか言うわけです…ほんと、罰ゲームかって話ですよ…」

しかし意外にも美咲は佐竹に対し、“デキる女”の対応をしたという。

「もちろん心の中では『何言ってんだ、このおじさん』と思ってます。でも態度に出したら隼人の顔を潰しちゃう。幹事の私がそれをするのはナシだと思ったから、ちゃんと“正解”を答えてあげました。真剣に悩むそぶりを見せた後『うーん、やっぱり佐竹さんかなぁ』って答えてあげたんです」

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