「私の何がいけなかった…?」34歳女の結婚が、急に破談となってしまったワケ

半年待つと決めた後も、真子は事あるごとに知之に結婚を詰め寄った。

「彼に会うたび、忘れてないよね?と確認するようにしていました。だいたい、半年待つ意味もわかりません。結婚する気があるならする、しないならしない。決断するだけの話なんだから」

ところが知之は、結婚を決めるどころか真子を明らかに避けるようになっていった。

彼の態度が次第によそよそしくなり、LINEのやりとりも目に見えて減っていくのを、真子は焦りとともに見守るしかなかった。そしてそんな矢先、知之は真子に信じがたい言葉を口にしたのだという。

「急に…本当に急にです。真子とは結婚できないって、別れてほしいって言われて…」

空になったモヒートのグラスを握りしめながら、真子はぎゅっと唇を噛んだ。その瞳にはうっすらと涙が滲んでいる。

それもそうだろう。34歳という年齢で、結婚目前と信じていた男に突然別れを告げられたのだから。

放り出されるようにして、振り出しに戻ってしまった真子。その絶望の深さと言ったら…経験した者にしかわかるまい。

「ねぇ、私の何がいけなかったんでしょう…。結婚話を強引に進めようとしたのがダメだったの…?でも若くして結婚した女友達はみんなそうやって幸せを掴んだって言うのよ。私は勝ち組女たちのアドバイスに従っただけ。それなのに、どうして…?」

「なんで?」「どうして…?」

喧騒が続く丸の内の夜更けに、行き場のない真子の問いが虚しく響くのだった。


▶NEXT:5月28日 火曜更新予定
いつも立場逆転されてしまう女のダメ恋報告

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