36歳・総合商社勤務で貯蓄ゼロ…!?独身貴族を謳歌しすぎた男の、ありえない金銭感覚

「付き合うことになる前から気前のいい人だなぁと思っていました。デート全奢りは当たり前。それだけじゃなくて、二人で食事をしている時、たまたま私の友人ふたりが同じ店にいたことがあって。途中から合流したんですけど、当然のようにさっと全額支払ってくれて」

デートの会計問題については各々意見が割れるところかもしれないが、スマートに会計を済ませてくれる男が素敵だという女性がまだまだ多いというのも事実だ。

葵は雄太の男らしさや頼り甲斐にどんどん惹かれていき、彼から付き合って欲しいと言われた時には、まるで10代の乙女のようにはしゃいでしまったという。

「プレゼント選びも素晴らしかったんです。これは冗談ですけど、誰か他の女性にアドバイスもらってるんじゃないかって疑いたくなるくらいセンスがありました。ちなみに昨年のクリスマスギフトは、パールで有名なブランドのアクセサリーで、中身を確認した瞬間、思わず飛び上がるほど喜びました。

本当に、最高の彼氏だと思っていました。彼も、私と一緒にいると楽しい、ずっと一緒にいたいと言ってくれましたし。年末年始は別々に過ごしましたが、お正月明けに会った時、結婚を考えていると話してくれたんです」

二人の関係は極めて順調…のはずだった。

しかしいざ結婚を真剣に考え始めたとき。葵は雄太から、とんでもない事実を突きつけられたと言う。

稼いでいるはずなのに…なぜ?


「正式なプロポーズこそまだでしたが、雄太とは結婚に向けて具体的な話をするようになっていました。六本木にある彼のマンションに泊まった夜などは、結婚したらどこに住みたい?子どもはどうする?なんて、ふたりで幸せな未来を語り合ったんですよ」

その流れで、葵はそれとなく尋ねてみたと言う。結婚するとなればぜひとも聞いておきたい、彼の貯蓄事情について。

「ねぇ。お互いの貯蓄額、大よそでいいから言い合わない?」

しかしこの質問で、現実の厳しさを知った。

「貯金とか俺ないよ、って。しれっとそう言われたんです。悪びれることなく堂々と言われて、正直言葉を失ってしまいました。だって…彼、総合商社勤務で36歳ですよ。貯蓄ゼロって…ありえます?損保の事務職で32歳の私だって、さすがに数百万はあるのに。

さすがにゼロはあり得ない、隠しているだけだ、って願望を込めて、最初はそう思おうとしました。でも…」

しかし雄太は葵に、トドメともいうべき一言を放ったのだ。

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