表紙カレンダー Vol.42

女優・新川優愛が『星のや東京』で見せた素の笑顔に、もう心洗われる思いがした!

慌ただしい日々を送る大人たちにとって、完全に現実を忘れさせてくれるのは、非日常な空間に身を置くことや、そこで過ごす時間しかない。

高層ビル群を真隣にする日本旅館、『星のや東京』。現実社会から扉一枚を隔てた非日常な空間が、ここにもあった――

この宿へ足を踏み入れたのは、女優でありモデルの新川優愛だ。都会の真ん中にある旅館は、エントランスから美女を高揚させる。

誇るべき日本のしつらいを贅沢にほどこした空間で見えてきたのは微笑ましいほどに自然体で寛ぐ、ひとりの女性の姿だった。


「すぐ帰れる場所に家があるのに、あえて泊まる。それって、最上の贅沢だと思う」

大都会に佇む宿にしてエントランスで靴を脱ぐ。初めて『星のや東京』に入った新川優愛さんは、そのアクションでのっけから心を掴まれた。

「あそこで靴を脱ぐ経験はあまりないので〝えっ!〞と驚きました。第一印象から非日常的でしたね。それから畳の廊下を歩いて、エレベーターの中まで畳で、お部屋には障子が張られている。つい、自分が東京にいることを忘れてしまいました」

部屋で着物に着替えたあとは、しばし寛ぎの時間。

建物全体で〝塔の日本旅館〞を表した空間について、「日本のいいところが散りばめられていて、とても温かみがありますね」と顔をほころばせ、ソファの上でまったりモードだ。


その後は、地下のダイニングで日本の食材にこだわった「Nipponキュイジーヌ」に舌鼓。口に運ぶごとに目を細め、「う〜ん、美味しい!」と悶絶する。

普段はあまりお酒を飲まない新川さんも、浜田統之氏の美しく香りのよい料理を前に、ワインを試してみたくなったよう。結果「ちょっと熱くなってきました」と頬を押さえる姿は、たまらない!

そんな東京を舞台にした一泊二日の疑似体験だったが、ゲストに時間を忘れてもらうためダイニングや客室内に時計はひとつもなく、新川さんはまさにその意図通りとなった。

「本当に時間を忘れて、あっという間に3時間が経っていました。時計を気にせず楽しめることってなかなかないので、この体験はひとりでも多くの人に味わってほしい。

帰りは不思議な感覚に陥りそうです。外に出たらオフィス街で、スーツを着たビジネスマンがたくさんいて、〝あれ? さっきのは現実?〞ってなっちゃう(笑)」

実は、多忙のため旅館に来たのが久しぶりとのことで、束の間でも感動はひとしおだったようだ。最後の温泉旅行は約2年前。祖母の実家のある青森県に家族で出かけた。新川さんがプレゼントした旅行で、おばあちゃん孝行の意味合いがあった。


「部屋に温泉がついている旅館で、十数年ぶりにおばあちゃんと一緒にお風呂に入って背中を流したんです。そしたらおばあちゃんの背中が子供のころに見ていたよりもすごく小さくて涙が出そうになった。

頑張って私のことを面倒みてくれたから想うことはたくさんあったけど、ひと言〝ありがとね〞と伝えました。温泉旅館だったからすんなり言えたんでしょうね。

カップルや夫婦でも、普段とは違う空間を味わうことで、照れて言えないことや、意地はって謝れなかったこととかも言えるチャンスがあるのかなと感じました」

いまは次に温泉旅館に行く日を夢見ながら、自宅のお風呂に温泉地の入浴剤を入れることをささやかな楽しみにしている。新川さんは夏でも毎日湯船に浸かるお風呂好きなのだ。

「マンションのお風呂は窓がないので、お風呂の扉を開けて、リビングまでの廊下の扉も開けて、涼しい風が入ってくるようにしています。顔だけが冷たくて、目を閉じると露天風呂……みたいな(笑)」と、秘技も告白。なんて控えめな楽しみなんだろう。

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