「大人といえば鮨屋」というのが一般的なイメージ。そこには、若者を寄せ付けない雰囲気がある。
自分にはまだ早い、と思っていたら、気づけば32歳の立派な大人。
そろそろ日常に鮨を取り入れてもいい年頃だろう。
たとえば、こちらの同僚のふたり。彼らはどのように鮨屋と向き合っているのだろうか。
早速、見てみよう。
残業後、一緒になった同期との“深夜に鮨”という大人な選択。
時を回る頃、後ろから「遅いな〜」と、茶化す声が聞こえた。10年来の同期の井上だ。
「まだ終わらないのか?」
こんな時間まで会社にいるのは久しぶりだ。
「いや、終わる。井上も今日は遅いな」
改めて振り向いてみると、井上はいたずらっ子のような顔で笑っている。
「行こうぜ、久々に」
入社して数年は、よくふたりで飲みに行っていた。だが、10年が経ち、互いに責任のある立場になり、その機会もめっきり減った。
「そうだな。久々に行くか」
毎日顔を合わせているだけに、予定を合わせて飲むほどじゃない。
かといって、会社の飲みでは部下や周囲の連中もいるし、深い話に辿り着かない。
つまり、積もる話がたくさんある。だからこそ、美味しいものをじっくり楽しみたいと思った。
タクシーに飛び乗り、飯倉の交差点を六本木方面へ。上質なつまみと鮨が楽しめる『意気な寿し処 阿部 六本木店』だ。営業は朝5時まで。さあ、何から語ろうか。
この記事へのコメント
コメントはまだありません。