• PR
  • 30歳、わたしの改造計画 Vol.2

    「仕事も恋も、後輩女に奪われる…!?」バリキャリ美女30歳が直面した、思いがけぬ危機

    ―これは、マズい…。でも今さら変更なんて……。

    美琴は、スケジュールを改めて確認する。


    制作物は、すでに発注済みである。さらにキャッチコピーはグローバルで共通のため、日本だけ変更するというのも、想像するだけで冷や汗ものだ。

    美琴は落ち着きを取り繕って、なんとかこの事態を収めることを第一に話し始めた。

    「調査段階で、こんなブランドはなかったはずだわ…。商標を確認して申請しているし、向こうに変えてもらえないか、確認します。」

    そう言って立ち上がった美琴に、「待ってください」と声をかけたのは、旬ではなく葵だった。

    「先輩、インスタで検索してみてください。もう、すごい量がアップされています。

    このポスターを見つけた時、店で一番目立っていました。ティーン向けで顧客は異なりますが、大きな問題になります。」

    「えっ……!?」

    葵ははっきりとした口調で、美琴に告げる。慌ててインスタグラムを検索していると、旬がこう続けた。

    「俺も、そのとおりだと思う。売れると思っているからこそ、なんの問題もない状態で挑みたいんだ。」

    「…わかったわ。少し時間をちょうだい。」

    美琴は努めて冷静にそう答えながら、必死で解決策を頭に張り巡らせる。しかし、動揺は隠しきれない。事の重大さに加え、旬の目の前で、葵との差を見せつけられてしまった気がしたのだった。

    落ち込む美琴が向かった先は…


    ーたしかに…。これは問題だわ。

    旬とのやりとりのあと、しおりと会社の近くにあるバラエティショップに向かった。そこでキャッチコピーが書かれているポスターを見て愕然としたのだった。

    葵の言うとおり、美琴が担当している新商品のキャッチコピーとそれは、たしかに酷似してる。

    同価格帯のライバルブランド化粧品については毎日のようにチェックしていたが、ティーン向けのプチプラコスメまで完全に把握できていなかったのだった。

    しかも今日は運悪く金曜日で、時刻も19時を過ぎており、これ以上打つ手立てがない。ひとまずその場で上司に電話し、週明けに緊急ミーティングを開く段取りを組む。

    「どうしよう…。気づかなかったわ。」

    美琴は電話を切り、しおりにポツリとつぶやいた。

    「先輩、きっと大丈夫ですよ!落ち込まないでください!」

    普段は弱音を吐かない美琴の様子を見て、しおりが慌ててフォローする。

    「ありがとう…。今日はこのまま直帰するわね。」

    結局その日は重い気分を引きずりながら、そのまま帰路についた。



    週末、美琴を心配したしおりが、銀座の『ビストロ・マルクス』のアフタヌーンティーに誘ってくれた。

    ケーキやスコーンを楽しみながら、大きなガラス窓から見える銀座四丁目の景色は素晴らしく、2人の話は大いに盛り上がる。そのおかげで、落ち込み気味だった美琴の気分も、少し上向いた。

    そして帰り際に有楽町駅に向かうとき、結婚式準備の話を夢中でしていたしおりが、何かを思い出したように「あ!」と叫んだ。

    「そうだ!この前言ってたワコールのお店へ行きましょう!すぐそこですから!」

    そうして美琴は、半ば強引に引っ張られる形で、西銀座のワコールショップに入ったのだった。


    「先輩!これですっ!」

    店に入り、はしゃぐしおりが手にしているのは、鮮やかな紫色のガードルだ。花柄模様があしらわれた大人っぽいデザインで、母が苦しそうに履いていたものとは全く別物に見えた。

    「これ、この間話した私の秘密兵器なんです!シルエット超変わりますよ!ほら、試着試着!」

    しおりに促され、スタッフの助言を受けながら、生まれて初めてのガードルを身につけ、驚いた。

    「なにこれ、思ってたより全然苦しくない…!」

    今まで抱いていたイメージを覆す履き心地に感動を覚えつつ、目の前の鏡に映る自分に、ハッとした。特に、横からと後ろからのシルエットは、まるで別人のようだったのだ。

    コンプレックスだったヒップがグッと上を向き、お尻の下のたるみが消え、確実に足が細長く見える。その上から服を着てみても、変化は一目瞭然だった。

    驚きのあまり、鏡を食い入るように見つめていると、スタッフがにっこり微笑みながら説明してくれた。

    「履いている時のシルエットメイクはもちろん、歩幅が広くなり、ヒップの筋肉を使いやすいエクササイズ歩行への変化が期待できますよ!」

    今まで全く知らなかった、”エクササイズ歩行”という機能の説明が決め手となり、美琴は『SUHADA 肌リフト STEP』を買って帰った。


    ―明日から、気を引き締めて頑張らなきゃ…!

    しおりと別れ、美琴は明日以降の対応について、改めて考えを巡らせる。先ほどの綺麗な曲線を描くボディラインを見て、気持ちが前向きになったのは間違いない。

    美琴は、これまでどんなピンチだって切り抜けてきたのだ。きっと今回も大丈夫、そう自分に言い聞かせながら帰路についた。

    ワコール_記事下バナーPC2

    【30歳、わたしの改造計画】の記事一覧

    もどる
    すすむ

    おすすめ記事

    もどる
    すすむ

    東京カレンダーショッピング

    もどる
    すすむ

    ロングヒット記事

    もどる
    すすむ
    Appstore logo Googleplay logo