会社帰りの行動で変わる愛の形。今どき夫婦が見つけた幸せの欠片とは?
ともに仕事を頑張る夫婦の日常は、お互いに忙しく、相手のことをおざなりにしてしまうこともある…。
でもどこかで気持ちを切り替えて、幸せな気分に浸るのは、大人の男女にとって大切なことだ。
決して大袈裟な何かは必要ない。例えば食卓に花を飾るだけでも、きっとこんな夫婦の物語が…。
綺麗な花を買って帰る。
その夫のささやかな行為が小さな魔法になる
今日は結婚記念日ではないし、「付き合って○○日記念」でもない。
それでも夫が会社帰りに花を買って帰ったのは、お互いに最近、疲れているから。出世するのは悪い気分ではないけど、相応の責任が増すのは避けられない。
そのせいか、忙しい仕事に翻弄され、家では妻に無関心になることが増えてきた。決して愛情が薄れたわけではないはずなのに…。
だからこそ、何気ない日常で少しだけ特別なことをしてみた。
家のドアを開け、ネクタイを緩める。手元を見て、視線を上げた妻の顔に驚きと喜びが広がるのを感じる。
着替えを終えて食卓に戻ると、花の香りを楽しんでいた妻が少し顔を隠しながら微笑みかけた。
夫は、ひとつ小さな決心をする。季節ごとの花を食卓に飾ろう。移りゆく日々に疲弊しないように。
そうすれば、きっと二人はこれまで以上にうまくいくはずだ。
妻は話題のシャリュキュトリをお気に入りの皿に盛りつける。
それだけで、幸せなムードに。
気分が浮き立つ。実は夫も私のことを思っていた。こんな嬉しいことはない。
妻は夕食のパスタを作る前に、キュートなブタのイラストが描かれた白い袋を開けた。
会社帰りに寄ったデリカテッセン。
先日お呼ばれした友人宅でのパーティで話題をさらっていたこのお店。ソーセージ好きの夫のためにと、本日立ち寄ったのだ。
さっそく見繕った品を、お皿に並べていく。このお皿はお互いに「ビームス」で一目惚れして購入した益子焼だ。
そこでひとつ問題に気付く。あ、ちょっと買いすぎちゃったかも。
まあ、いいか。明日も早いけれど、今日は少し飲みたい気分だったのだ。
グラスを食卓に並べる前に、味見しようと皿に手を伸ばす夫。
「子供じゃないんだから」と叱りながらも、その無邪気さにまた笑ってしまった。