2012.10.20
恋するレストラン 週末じっくり距離ツメデート編 Vol.3蕎麦 流石
大人の愉しみを追う蕎麦の新たな世界
神田『いしい』、修善寺『朴念仁』を経て、店主の藤田千秋さんが銀座の外れに店を開いたのは8年前。昨年秋、師である石井仁氏の店『古拙』の後を受け継ぐように、その跡地にも店を開いた。
そもそも独立にあたり銀座を狙っていたわけではないと言う。フレンチや寿司ならここは勝負の地となりうるものの、蕎麦屋は地方に店を構え、わざわざ足を運ばせてなんぼの世界。「でも、蕎麦ってそんなにすごいものじゃないと思う。何かのついでにふらりと立ち寄れるのが本来の姿かと」。都内の繁華街で物件を探し、たまたま巡り合えたのが、ここ銀座であったのだ。
開店当初から蕎麦だけでなく一品料理にも力を注ぐのは、飲める蕎麦屋にしたかったから。江戸時代には居酒屋的に使われていた、原始のイメージがある。蕎麦一杯でも飲兵衛でも、ゆっくりできる雰囲気作りに心を砕く。
銀座の外れの蕎麦屋でゆるりと酒と肴を呑む幸せを共有したい。
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