リストに加えませんか? 7.キャラ立ちバー Vol.1

カエサリオン

カエサリオン

世代を越えて愛される正統派バーの愉悦

左.店主・田中利明氏。蒸留酒のオールドボトルにこだわった時期もあったというが「今は現行品のみ」

右.ポートワインのカクテル¥2,000。「葉巻とのマリアージュを考えるなら」と供した1杯

酒場がバーと呼ばれるようになったのは18世紀のアメリカといわれている。由来はもちろんカウンター。この横木(=バー)を挟んで、バーテンダーと客が向かい合ったとき、バーは初めてバーとなるのだ。

銀座でも西麻布でもない、代々木上原という街で’93年開店したオーセンティックバーに『カエサリオン』がある。今や伝説の資生堂パーラー『バー・ロオジエ』を経て独立した田中利明氏の店だ。「『20年経って初めて本当のバーが始まる』と先輩が言っていましたが、やっとここまでというのが実感」。

バーコートに身を包み、穏やかな笑顔を見せる氏の語り口は実にソフト。「お客さまの雰囲気が店を作ると思っておりますが、そのお客さまの雰囲気を作ることこそ、我々バーテンダーの仕事」。BGMもなく、フードも置かずと徹底している。「シガーに合う1杯」をオーダーすれば、美しい所作からポートワインのカクテルを差し出す。カンパリで適度な苦みを加えており、これがまた煙によく合う。「ここまで来ると、息子さんを連れて、という常連の方もいらっしゃるようになりました。それが嬉しい」。歳月の中で醸成されていく、バーテンダーと客の関係。行きつけにしたい理由がここにある。

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