
角打と店名にはあるものの、いわゆる酒屋併設の角打ちにあらず。カウンターの一部に立ち飲みスペースこそあれ、あとはスツールが並び、奧にテーブル席があり。それでも選りすぐりの日本酒が70㏄350円からと、角打ちを彷彿とさせる気安さがある。
武蔵小山『手打蕎麦ちりん』の姉妹店として5月に開いたこのお店、定番は蕎麦前的な品々。そばみそを舐め、だし巻きたまごを頬張りつつ、日本酒好きなら10種類以上揃う地酒を少量ずつ次から次へ。もしくは中野で創業80年、レトロなボトルが目を引くトーインサワー15種を飲み比べてみたり。程よく酔いがまわれば河岸を替えるか、店自慢の蕎麦で締めて帰るか。蕎麦屋で飲むのは気後れする世代も、知らぬうちにその世界を体感することになるのだ。
オープン間もないため、今はまだ色々と手探り状態なのだとか。それでも値段プラスαの満足感に気づいた学芸大学の住人が、夜ごと店内を賑わせている。