2011.10.21
心強いランチの味方。 Vol.1やっぱりランチは定食だ!
ひとつの定食に秘められた、食の果てなき可能性を存分に堪能してほしい。
昭和5年創業の精肉店が現在の定食屋に生まれ変わったのは平成2年のこと。以来、精肉店の経験を活かした揚げ物が話題を呼び、店は連日の大盛況。例えばメンチカツなら、鶏と豚を合わせた挽肉を俵型に成形し、自家製ラードで揚げる、軽い仕上がり。その他、男爵イモを粗めに潰して揚げるコロッケなど計8種類のメニューは、どれも逸品揃い。営業は平日昼の3時間のみ、それでも連日大勢の人が訪れる超人気店だ。
※こちらの店舗は店名を『あん梅』に変更しております。詳しくは下記レストラン情報をご確認ください。
鯖は風干しで脂をしっとりとなじませ、鰺は天日でパリッと。使用するのは築地で仕入れた旬の新鮮な魚。それを塩のみを用いる昔ながらの製法で自家製干物にして楽しませてくれるのだ。余分な水分が抜け、旨みだけが凝縮した干物は、炭火で焼き上げて香ばしく、風味豊かに。さらに、薪窯で炊き上げる艶やかで驚くほどにモチモチとしたご飯、自家製味噌を使った味噌汁も付く。これはもはや定食の完成形である。
大正12年創業、濃厚な黒いつゆが特徴の関東風おでんの老舗。創業以来継ぎ足し守られるという出汁は、80余年分の旨味を湛えた深い味わいが評判だ。看板のおでんと並ぶこちらの名物が、常連客の要望で誕生したというとうめし。茶飯の上に、しっかりと出汁の染みた豆腐がのるシンプルなメニューだが、口中で溶けるような特注豆腐の柔らかさや固めに炊いた茶飯、出汁の風味など、どこをとっても最高の完成度。
きっかけは、無農薬無化学肥料栽培の米生産者・松下明弘氏との出会い。甘みだけではない力強く、膨らみのある米の旨さに「定食屋」を開くことを決意した。ゆえに、米には徹底的にこだわり、少量ずつ土鍋で炊き上げる。無論、主力の焼き魚も絶妙。例えば、脂ののった銀ダラは、粕漬けにして美しい焼き色が付く程度に焼き上げる。出汁の利いた味噌汁や日替わりの小鉢も、体に染る旨さ。通うが正解の小さな名店だ。
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