※こちらの店舗は、現在閉店しております。
天ぷらは食材を活かす蒸し料理だ!
『恵比寿 天ぷら 魚新』
油とビールという罪なほど旨い組み合わせ。その王道とも言えるのが「天ぷら×ビール」だろう。
そんな美味に酔いしれたい日には『恵比寿 天ぷら 魚新』へ。カウンターに座り、好みの品を注文しながら最初の一杯を!
油のなかで食材が揚げられていく、パチパチという食欲をそそる良い音色に耳を傾ければ、それだけで杯が空いてしまう。
食材をシンプルに提供するのが天ぷら。揚げているとはいっても、実は食材を衣で包み、脱水しながら蒸し上げる「蒸し料理」である。そのため如何に衣に穴を空けず、丁寧に揚げていくかに職人技が光るのだ。
途中で決して味見ができない天ぷらは、熟練した職人でなくては任せられない料理であり、それだけ味わう価値も高い。
この日注文したのは、「茄子」、「海老」、「松茸」、「銀杏」、「穴子」、「青唐」の6品。
注目は、旬の「銀杏」。銀杏の外殻を割り、水から火を入れて、湯が沸いたらすぐに取り出す。皮をむき、銀杏で絹さやをはさみ、揚げて完成。ふっくらと揚げられた、銀杏のふくよかな香りが秋を感じさせてくれるだろう。
たっぷりと天ぷらとビールの幸せを味わったなら、シメにはぜひ「天茶」を注文したい。
昆布茶と塩を入れた熱々の緑茶とご飯の上に、揚げたての海老と三つ葉のかき揚げを、ジュワッと音を立てながらのせてくれるパフォーマンスも魅力だ。
プリッとした海老の食感と三つ葉の香りが一体となり、口いっぱいに広がっていく。
この店は明治23年創業の赤坂の鮮魚店がルーツ。すでに六本木で25年、日本橋と西麻布で13年という都内屈指のグルメ街で、長年素材へのこだわりと職人の技術を守り抜いてきた名店である。
食材も料理長自ら築地に仕入れてくる品、魚屋から仕入れる鮮魚を組み合わせて提供する。揚げたてを食べて欲しいという想いから、テーブル席であっても一品一品提供するのがこだわり(お客の要望があればまとめて出すことも可能)。
揚げたての天ぷらをサクッと頬張り、続けざまにヱビスビールを流し込む。この瞬間の幸福感に、さらに天空の絶景まで付くのだから、もう言うことはない!