巨匠のアート作品が間近に!丸の内に潜む非日常に心が躍った!

丸の内は、世界的なアーティストの作品が街中の随所に点在する稀有な街だ。この街では、ただ歩いているだけでもアートに出会える。ストリート上にある彫像、個性豊かな展示が魅力の美術館、歴史文化的に価値のある建物など、丸の内で気軽に楽しむことができるアートの魅力をご紹介しよう。

《われは南瓜》草間彌生 日本,2013 彫刻の森芸術文化財団 監修

丸の内だからこその巨匠揃い!

丸の内のメインストリートである丸の内仲通り。ここを「丸の内ストリートギャラリー」と称し、個性豊かな彫刻作品を展示しアートの街として発信している。

三菱地所と、この取り組みを共催する彫刻の森芸術文化財団の坂本浩章氏は「当財団所蔵の作品のほか、草間彌生氏など一部の作家には丸の内を意識した作品を依頼。草間氏自身も丸の内に思い出がたくさんあるそうです」。草間氏は『われは南瓜』を「新しい自分の出発の一点」と話す。

南瓜は彼女が好んで使う最もポピュラーなモチーフだが、この作品は初めて石彫で作られている。自身のテーマである「永遠(とこしえ)」に例え、半永久的に残る素材(黒御影石)に南瓜(草間自身)を重ね合わせ、永遠の命を吹き込んだという作品。カラフルな草間作品とはまた違う重厚感がレア!

《Animal2012-01B》三沢厚彦 日本,2015 彫刻の森芸術文化財団 監修

日本を代表する現代彫刻家の三沢厚彦。彼の代表作は『アニマルズ』で、この十数年はずっと動物をモチーフに多くの作品を発表している。不思議な雰囲気をたたえたなかに感じる生命力と、思わず引き込まれる表情、また迫力ある大きさも特徴だ。木彫をブロンズで鋳造した作品には、力強いノミ跡に彫刻家の仕事を感じることができる。丸の内仲通りビル前のほか、クマとトラとみみずくの3点が現在展示中。丸の内の白いトラとは、なんだか縁起が良さそう。

「著名作品を人に近い場所に展示し、数年ごとに入れ替えるなど管理が行き届いている公共の場は世界を探しても他にない。海外のメディアから『持ち去られないのが奇跡』と言われました(笑)。街のセキュリティの高さ、また作家からここに置きたいと思わせる街の国際性も大きい」(坂本氏)。

11年目を迎える体感型のアートイベント「藝大アーツイン丸の内」など、アートを身近に感じられるような数々の展示やイベントが、今年も目白押しだ。

まだまだある!! 丸の内にはアートなスポットがいっぱい!!

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《ムーラン・ルージュの女道化師》1897年 多色刷りリトグラフ アムステルダム、ファン・ゴッホ美術館蔵

ロートレックの1点ものも
『三菱一号館 美術館』

もはや丸の内のランドマーク的な美術館で開催中なのは「パリ♥グラフィック―ロートレックとアートになった版画・ポスター展」(入場料一般1,700円)。2018年1月8日まで。19世紀末パリ、版画は芸術の域に高められる一方、ポスターなど大衆文化とともに発展。

今回はロートレックが生前アトリエに保管していた保存状態のよいリトグラフやポスター、市場に出なかった試し刷りやコレクター向けの豪華版など、版画の多様な広がりを展覧。

【施設概要】
住所:千代田区丸の内2-6-2
TEL:03-5777-8600
営業時間:10:00~18:00(祝日を除く金~21:00)
休館日:月曜(ただし1/8と「トークフリーデー」の10/30、11/27、12/25は開館)

ユリ科チューリップ属の栽培品種(Tulipa ‘Bisard Adelaar’)/キュー王立植物園所蔵

サイエンス×アートの融合
『JPタワー学術文化 総合ミュージアム インターメディアテク』

KITTEにある日本郵便と東京大学総合研究博物館協働運営のミュージアムスペースでは現在、特別展示「植物画の黄金時代――英国キュー王立植物園の精華から」が12月3日まで行われている。

「サイエンスでありアート」というキュー所蔵の歴史的な植物画と、植物学研究の最前線にある東京大学所蔵の植物標本を組み合わせた展示構成。これは18世紀イギリスの最も卓越した植物画家・ゲオルクの描いたチューリップ。

インターメディアテク2階常設展示 ©Intermediatheque/空間・展示デザイン ©UMUT works 2013-

【施設概要】
住所:千代田区丸の内2-7-2 KITTE 2F/3F
TEL:03-5777-8600
営業時間:11:00~18:00(金・土~20:00)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日休館)

《ふたつの頭部と手》1964年 個人蔵 © ADAGP, Paris & JASPAR,Tokyo, 2017, Chagall ® E2495

シャガールの珍しい彫刻が!
『東京ステーション ギャラリー』

重要文化財でもある東京駅・丸の内駅舎内にある美術館。美しいレンガも特徴的なここでは12月3日まで「シャガール 三次元の世界」(入場料一般1,300円)を開催中。

画家・版画家として有名なマルク・シャガールだが、晩年には多くの彫刻を残しており、日本で初めてその彫刻作品を本格的に紹介する展覧会だ。関連の深い素描や絵画とともに、彫刻・陶器60点のほか絵画や版画も豊富に展示。新しいシャガールを発見できそう。

©Tokyo Tender Table

【施設概要】
住所:千代田区丸の内1-9-1
TEL:03-3212-2485
営業時間:10:00~18:00(金~20:00)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日休館)

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