2017.08.27
翌日は早朝より、パリからクルマに揺られ約1時間、シャンパーニュ地方のエペルネへ。言わずと知れたシャンパンの聖地だ。
聖地・エペルネへ。そこで目の当たりにしたのは、凄まじいまでのシャンパン愛
こちらが「Avenue de CHAMPAGNE」、シャンパン通り。名だたるメゾンが軒を連ねるストリートだ。各国からのシャンパンラバーが各メゾンのツアーを楽しみに集っていた。
モエ・エ・シャンドンのメゾンに到着。世界シェアNo.1を誇る同社だけに、堂々たる外観だ。
ここでモエ・エ・シャンドンの歴史についてサラッと触れておこう。なんと言っても、270年以上もの歴史があるのだから。
シャンパーニュ地⽅の名⾨モエ家の⼀員であるワイン商、クロード・モエが、1743年にエペルネの町にメゾンを設立したことから、歴史は始まる。商才のあるクロードは、わずか5年後でフランス王室の公式シャンパンにまで押し上げ、当時のフランス王ルイ15世や、ポンパドゥール夫⼈に愛飲されることで、ヴェルサイユ宮殿の王侯貴族にも広まった。
その信念を継いだ3代⽬のジャン・レミー・モエは、それまで⾏っていた他のワインの製造を中⽌し、シャンパン造りのみに注⼒。親交のあった皇帝ナポレオンも戦勝酒として重宝するまでに(モエ・エ・シャンドン モエ アンペリアルの「アンペリアル」は皇帝という意味)。
と、華々しいエピソードには事欠かない。モエ・エ・シャンドンにはそういった歴史に裏打ちされたロマンがある。
そして出迎えてくれたのが、醸造最高責任者ブノワ・ゴエズ氏。2005年に35歳という若さで今のポジションに就任したシャンパンの天才だ。
グッドルッキング、そして物静かな語り口。こういった人が、シャンパンのラグジュアリーな世界を創り出しているのだと、思わず納得せざるを得ない。
ブノワ氏のアテンドによって、石灰岩の地盤を地下10〜30m掘ったシャンパーニュ地方最大、全長28kmのカーヴを見学。ここに数多くのシャンパンが貯蔵され、来る抜栓の日を待っているのだ。
※一般の方でも有料で見学可能。詳しくはこちらで。
カーブツアーの〆は、ブノワ氏しか入ることができないスペシャルなテイスティングルームへ。そこで出されたのは「モエ・エ・シャンドン グラン ヴィンテージ 2008」。
ブノワ氏いわく「この年は冷涼な気候であったことと、収穫が順調に進んだことで、フレッシュでしっかりとした酸味を備えたブドウが出来た。ゆえに『2008』は控えめでエレガントでありながら鋭さのある熟成感を備えており、その香りは春を感じさせ、快活な味わいだ」。
その「2008」の美味しさもさることながら、私が感動したのは、2008年の天候を去年のことを話すがごとく、サラサラ語れるブノワ氏の記憶力。それだけ、天候を気にし、ブドウに愛情を注ぎ、シャンパンに情熱を注いでいるからこそ、なのだろう。
カーヴツアーを終え、モエ・エ・シャンドンがVIPをもてなす迎賓館トリアノンにてランチ。
シェフはイタリア人のマルコ・ファティガ氏だ。2016年春に開催されたエグゼクティブ・シェフを募集するグローバルコンペティション”Moët & Chandon Wants You!”で見事優勝を果たした。
シャンパンに合う料理と一言でいうのは簡単ですが、そこは奥が深い。フランス文化を敬愛しながらも、イタリア人らしい創造性に富んだ料理が、そのひとつの答えを示していた。
シャンパンのすべての始まりは、この広大なブドウ畑から。
そして最後はブドウ畑へ。1ヘクタールに1万本のブドウの木が植えられていて、9月の収穫期には3000人もの人が2週間で手摘みを行うのだそう。気の遠くなるような作業、だがシャンパンに使われるブドウは手摘みでないといけないという掟があるのだ。
そしてブドウ畑のあちらこちらに「モエ・エ・シャンドン」の所有を示す碑が立っていた。
どうも日本では、ややもするとバブルの象徴的な扱いを受けるシャンパン。現地を訪ねて分かったのは、当然、ラグジュアリー、富の象徴ではあるものの、決して成金のイメージではなく、上質の証であるということ。
丁寧に情熱を持って作られた商品は、高いお金を出すかもしれないが、それだけの価値があるということ。作り手に最大限に敬意を示し、大切に飲む、それこそがシャンパンなのだと、痛感したのだ。
帰国した私に待っていたのは、渋谷でのスペシャルな夜
フランスから帰国し、日々の業務に追われていたところ、つい先日、ブノワ氏が来日するとの一報を。
「またお目にかかりたい!」との思いで、渋谷は『TRUNK HOTEL』のスイートルームで開催されたスペシャルディナーに。
この日の目玉は、日本でも名だたるフレンチなどでオンリストされつつある「モエ・エ・シャンドン MCⅢ(エムシースリー)」。ブノワ氏肝入りのウルトラ プレミアム キュヴェだ。メゾン史上最も調和的且つ複雑な究極のシャンパンなのだとか。
シャンパンの世界に一度、足を踏み入れると、その奥の深さに怖気づきそうになる。でも、その先に素晴らしきラグジュアリーな世界があると思えば、その道も、また意味がある。ラグジュアリーな食世界を体現する編集者として、この道を極めようと、心に誓った次第。
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