2017.08.10
寿退社したものの Vol.1結婚したら、寿退社♡
一昔前まで、それは女性の人生における最初の小さなゴールだった。
家庭に入り、料理の腕を磨き、夫の帰りを待つ。
だが、2017年の東京で「専業主婦」は、本当に憧れるべき存在だろうか?
26歳の私と、29歳の私。
夏の朝は、寝室に白く、強い光が入る。
自然に目覚めた志穂はゆっくりと数回瞬きをしてから、隣で寝ている娘のひなに目をやった。
汗をかきながらも、静かに寝息を立てながらぐっすりと眠っている娘の寝顔を確認してから、今度は夫の姿を探す。
夫の姿はなかった。脱ぎ散らかされたTシャツを拾い上げながら、志穂は大きくため息をつく。
「今日は何をしよう…。」
志穂と夫と、娘の3人が暮らすここ世田谷区の駒沢大学駅周辺は、ひとことで言うとのどかで平凡な街だ。
専業主婦である志穂は、先月2歳になったばかりの娘と、日がな1日何をするでもなく街を歩く。
公園、スーパー、住宅街、商店街、そしてまた、別の公園。
延々と続く道を時にはベビーカーで、時には果てしなく自分勝手なペースで歩く娘の手を引きながら歩く。
自分は間違いなく幸せだと思う。夫は大手の広告代理店に勤め、こうして可愛らしい娘も授かり、働かなくとも生活の心配はない。
だが、結婚後3年経ち、そして母となった今でも、志穂は結婚前の華やかな生活を完全に忘れることは出来ていなかった。
そんなことをふと口に出せば、母親失格だ、なんて子供じみているのだ、と呆れられるのも分かっている。
だが、今の生活は単調で、あまりにも退屈だった。自分の人生を生きているという実感が得られない日々が、ただただ繰り返される。
キッチンに向かい娘の朝食を用意しながら、志穂はふと、26歳、独身最後のバチェロレッテ・パーティーの夜のことを思い出していた。
勿論そういう人もいますが、そうじゃない人もたくさんいると思います。
ただ、日本ではそうじゃない人はなかなか表に見えにくいと思いますが。
人それぞれの価値観があって、私はいいと思います。
私の会社には、シングルで、休む暇なく働いている人いますよ。
食べるために労働基準の時間超えて働いている人いますから。
羨ましいです。
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