港区であれば東京の頂点であるという発想は、正しいようで正しくはない。
人口約25万人が生息するこの狭い街の中にも、愕然たる格差が存在する。
港区外の東京都民から見ると一見理解できない世界が、そこでは繰り広げられる。
これはそんな“港区内格差”を、凛子という32歳・港区歴10年の女性の視点から光を当て、その暗部をも浮き立たせる物語である。
港区タワマン・オワコン説に異論を唱え、三田在住なのに麻布十番と言うCAや、いつまでも宴の終わらぬ港区を考えた。
いざ、港区卒業の時。
ミンミンゼミがけたたましく鳴いている。
昔に比べてセミの数は減っていると言うが、毎年セミの鳴き声を聞くたびに夏本番が来たと実感する。
今年は、いつもより早い夏の到来だったように思う。だから既に夏は満喫したと勝手に思っていたが、夏本番はこれからのようだ。
今日凛子は、......
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