エーデルワイフ Vol.5

エーデルワイフ:幸せが似合う女の心得。それは「幸せな自分」を演じ続けること

2017年の東京を生きる大人の女性が、悔いなき人生を歩むために身につけるべき「品格」とは?

30歳で婚約破棄。未来に絶望した千晶は、導かれるようにして、ナンタケットバスケット教室「エーデルワイス」を主宰する高貴な妻、白鳥雪乃と出会う

ある日千晶は、幸せいっぱいの新妻・柳沢結衣が一人涙しているところを目撃。彼女の幸せに小さな疑問を抱く。

さらに、後輩・あずの紹介で爽やかイケメン弁護士・正木と食事をした帰り、とても誠実そうには見えない、派手な女を連れた「柳沢」と名乗る男性と遭遇。

不似合いだがその男は、やはり結衣の夫なのだろうか?


深まる疑惑


「ねぇ、この間会った柳沢さんてどういう人?」

フロアに人がいなくなったタイミングで、千晶は隣に座る後輩・あずに小声で尋ねた。

先日、彼女が紹介してくれた弁護士・正木と3人で食事をした帰りに声をかけてきた男のことが、どうも気になる。

「柳沢さん…は、既婚者なのでやめましょう。それより正木さんと…」

意図を誤解したあずが、あからさまに眉をしかめ軌道修正を求めるので、慌てて弁解をする。

「いや、そういう意味じゃなくて。知り合いの…えーっと、知り合い…かもしれないから、聞いてみただけ」

柳沢、と呼ばれたその男は、見るからに「俺様」だった。表立って声にすることはなくても、女性を自分の所有物のように考えているような。

それに彼は、メイクの濃い派手な女性を連れていた。控えめで年齢よりずっと幼く見える結衣とは、真逆のような女を。

もし、彼が柳沢結衣の夫なのだとしたら…彼女が結婚記念日に白金台の交差点でひとり涙していた理由も、なんとなく想像がつく。

他人の夫婦関係に首を突っ込むつもりはないが、偶然とはいえ泣いているところを目撃してしまった以上知らぬふりはできなかった。

私も特に親しいわけじゃないですけど、と前置きしてから、あずがゆっくり口を開く。

「柳沢さんは自分で起業した広告代理店がうまくいってるらしく、西麻布界隈じゃ有名ですよ。ビジネスも…女遊びも派手なので」

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