「本気なんだ!」六本木でも真剣さが伝わる“本命デート”の店4選

“六本木”ときいて頭に浮かぶのは、ギラギラした交差点のネオン、人ごみと雑多な雰囲気の通り…。憧れの人に誘われた食事デートも、「六本木で…」と言われると「もしかしてこの人遊び人かも?」と思ってしまう。

“夜遊びの街”のイメージが強い六本木にも、「この人本気かも…?」と思わせる店がある。”チャラい遊び人”と思っていた人から不意に本気が伝われば、ぐらりと揺らいでしまうはず。本気デートに臨む夜に使える、六本木の4店を紹介しよう。

こじんまりとした入り口には、京都を思わせる空気が漂う。

老舗和食『志る角』の味噌汁で、あの人の”本気”が見えてくる!

社内では”モテ男”で通る先輩。端正な顔立ちで仕事もスマート、よく女性社員とランチにいく姿を見かける。その”慣れた”感じが少し苦手で、いつも遠巻きにみる相手だった。長引いた残業を終えたある日、突然隣のデスクに腰掛け「腹減ってない?ちょっとデートしようよ」と声をかけられた。

出た、この感じ…と思いながらも、へとへとの身体で今から自炊をするのは億劫だし、誘いに乗ることに。会社を出てタクシーの運転手に伝えた行き先は「六本木」。そのいかにもなチョイスに、ちょっと後悔が浮かぶ。

到着したのは、東京ミッドタウンの手前の静かな路地裏。入口には店名が書かれた白い暖簾がすらりと掛かり、両脇に行灯が灯っている。こんな渋い店に通ってるんだ、と意外な気持ちで後に続く。

低めのカウンターからみる女将の姿は、ほっこりとした気持ちにさせてくれる。

ここ『志る角』は創業38年という老舗和食店で、店には仕事帰りにしっぽりと飲む客が目立つ。店内の落ち着いた雰囲気でも手伝って、カウンターで横並びになると先輩への警戒心も少し解かれて行くのを感じる。

爽やかな皿に氷と盛られたトマトは、目前に迫った夏をますます待ち切れなくさせる。

キンキンの冷やしトマトにビールを流し込み、「あー、今年も夏が来るなー!」と顔をほころばせる彼。確かに、残業後の渇ききった喉に染み入るビールがたまらなく美味しくて、思わず顔を見合わせて笑顔になった。

落ち着いたカウンターで新鮮な刺身をつまめば、いつもより日本酒がすすむ。

その日のおすすめで鮮度にこだわったものだけを取り寄せるので、「刺身盛り合わせ」はもちろん、焼き魚や煮魚も文句無しの一品だ。

濃いめの赤だしは、〆につまみに、万能な一品。

日本酒を楽しんだ後、「これだけは外せないんだよ」と彼が注文したのは、ここの名物という「味噌汁」。『志る角』の味噌汁は、様々な具材の中から好きなものを選ぶことが出来る。

なめこや豆腐などの定番から、じゅんさい、茄子、とろろなど変わり種まで、10種類ほどの具材が用意されている。飲んだあとの味噌汁の美味しさはもちろん、しんみりした先輩の意外な一面に驚いた。

「ほっとするね。やっぱりこういうのが一番だ。」ため息混じりに言う先輩をみていると、なんだか安心感すら感じる。軽いだけの人じゃないのかも、と少し惹かれている自分に気づく。

翌日の飲み会でいつもどおり場を盛り上げる彼を見つつ、しんみりと味噌汁を啜る昨夜の姿が頭をよぎる。「恋の始まりはギャップから」という説は、本当かもしれない。

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