最近不発が多い肉メインの店で、肉好きが集まる間違いのない名店5軒

焼鳥店でのアルバイトが縁で焼鳥屋を始めた和田さん。当初は軽い気持ちでいた氏が、鶏肉と真剣に向き合う契機となったのが故郷、茨城の奥久慈軍鶏との出合いだったという。食材への敬意が氏を名人に育て上げたのだ。

左から「手羽先」¥594、「つくね」¥540、「ねぎま」¥486、「皮」¥432、「スジ」¥486

銀座に相応しい品格を醸す人気焼鳥店『BIRD LAND』

銀座

焼鳥は威勢の良さが身上のように思われがちだが、さにあらず。焼鳥界の巨匠・和田利弘さんの〝焼き〟は、極めて静かだ。なぜなら「肉はできるだけ返さないこと」、これが、和田さんの肉焼き全般に対するポリシーだからだ。

じっと串を見つめ、ひっくり返す頃合いを見計らうその姿は、あたかも手練れの剣客が、僅かな隙も逃さず相手の動きを見極めんとするかのようだ。鶏肉の微妙な変化を一瞬たりとも見逃すまいと、真剣そのものだ。

「しっかりと焼かないと肉の旨みは出てこない」。30年近く、日々切磋琢磨する中で見つけた和田さんの持論だ

「頻繁に返すことで鶏肉の旨みが損なわれることは、化学的にも立証されています。場所は変えても、返す回数は1〜2回で十分。あまりいじらずギリギリまで待つ、そこが肝心なんです」。

だが、そのためは炭の置き方が大きくものを言うことになる。炭の火力は中央部が強くなる。この事実をよく念頭に置き、火力にムラができぬように並べる、これがスムーズに焼くためのポイントなのだ。

そう、焼きの極意は、炭の置き方、ひいては串打ちの段階から既に始まっていると言っても過言ではないだろう。また、肉の状態や部位によっても、当然焼き方は変わってくる。すべては、その独自の焼きの美学から生み出されたスキルなのだ。

焼き場を中央にして配されたコの字型のカウンターはまさに和田さんのステージだ

香港出身。67歳。1976年から焼味師として香港のレストランで腕を振るった後、1990年来日。『赤坂璃宮』を経て2015年、ウェスティンホテル東京『龍天門』の副総料理長に。

「焼き物盛り合わせ」¥2,400。左から時計回りに「叉焼」、「豚トロの塩焼き」、「龍皇赤鷄の香味漬け」、「鷄レバーの窯焼き/蜜汁焼鶏肝」。中央が「豚バラ肉のサクサク焼き/焼肉」

あらゆる美食家を満足させる広東料理店『龍天門』

恵比寿

サクサクっとクリスピーな歯触りの〝焼肉〞。パリパリの皮と身の間から滴り落ちる脂もジューシーな〝焼鴨〟に、口当たりはふわっと軽く、それでいてしっとりした旨みの余韻を残す〝蜜汁焼鶏肝〞etc.

広東料理の醍醐味のひとつは、広東特有の明爐窯で焼き上げる焼き物にある。その焼き物の達人が、梁 偉康さん。ウェスティンホテル東京『龍天門』の副総料理長にして、当代随一の焼味師である。

15歳で修業に入り、焼き物一筋半世紀余り。長年培ってきた熟練の技はもちろんだが、特筆すべきは、梁さん自身が兼ね備えている天性のセンス。これに尽きるだろう。

香港から取り寄せた明爐窯で焼き上げる。最高で250~300℃にもなる灼熱の窯の温度と火をいかに操り、御するかが焼味師の腕の見せどころだ

豚は鹿児島産。「脂と肉の部分がバランス良く五層になっている豚バラ肉を選ぶこと、加えて皮が厚いことも大切」なのだとか。それを軽く下茹でし、塩や五香粉をよくすり込んで一晩干す、といった下拵えの丁寧さも見逃せない。

「まず肉側を焼き、皮を焼く時は高温で一気に焼き上げる」のがコツ。ギリギリまで焼き切るその温度、時間はすべて焼味師のカンと度胸。手を窯にかざして温度を測り、皮の焼き色や艶、肉汁の様子などから、ここぞという瞬間を見極める。

名人のみぞ知る〝あうんの呼吸〞が生み出す美味である。

テーブルの感覚も広く、贅沢な空間。金の瓦や龍のオブジェなど中華ならではのゴージャス感もある

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