2016.11.07
ミューゼオ・スクエア Vol.2革製品の色を染め替えし、自分だけの逸品に仕上げることができることを知っているだろうか。
「カラリスト」という職人がそれをかなえてくれるのだが、日本には数えるほどしかいない。そんな日本のカラリスト第一人者に聞く、染め替えの魅力、そのこだわりとは?
日本でも数えるほどしかいない革製品を染める職人
「カラリスト」は、革靴や革小物を染める職人のこと。その存在すら知らない人も多いだろう。それもそのはず、日本でも10数名程度しかいない。革靴を染め直したり、革小物を自分の好みの色にしたり。染めることで革の楽しみを広げたいと思う人が、カラリストに染めを依頼している。
そして、日本の中でもカラリストの第一人者といっていい立場で、日々、理想となる色、顧客が望む色、さまざまな色に対峙している藤澤宣彰さんにお話を伺った。現在、彼は自宅とワールドフットウェアギャラリー神宮前本店2Fのマエストロサロンにてアトリエを構え、さまざまな染めの依頼に対応している。
物欲ではなくモノへの好奇心を世の中に広く届ける「ミューゼオ・スクエア」からの転載です
藤澤さんと挨拶した時、自然に手元に視線が落ちる。指先が染料に染められ、「コンビニとかでお釣りを受け取るときに躊躇するときもあります」と言う彼の手は、確かに「何かの作業中ですか?」と思わず聞きたくなってしまう状態。
しかし、そこに職人としてのシンプルな「覚悟」が感じられて、思わず見とれてしまった。
染める時は素手で行うときが多いという藤澤さん。染料の感覚がよくわかるためだという。そんな繊細な「染め」の技術はどこで得てきたのだろうか。
思うままの色に染められることに惹かれて
もともと、スーツや靴が好きで、たまたま勤め始めたのが、ワールドフットウェアギャラリー。そこが、カラリストとしてのキャリアのスタートとなった。靴好きとともに、靴談義を楽しめる環境で、靴を販売。
そんなときに、フランスのシューケア商品メーカー「コルドヌリ・アングレーズ」からスタッフが来日し、パティーヌ(染め)を教わる機会を得た。その際は染め技術の“さわり”しか教えてもらわなかったので、自分で染めを探究するように。
「いろんな色の靴があるのを知っていたんですが、それを自分が染められるとわかって、楽しそうだと思ったんです」
靴に対する興味から、思うままの色に変えられる快楽を知ってしまった以上、藤澤さんにはそれを追求することしか目に入らなかったようだ。
その後、自身で技術を磨き、靴用品の老舗メーカー、コロンブスに転職。さらに試行錯誤する日々。気が付くと、後進の指導もしつつ、シューケア商品のブランディングまで行うようになっていた。
そんな中、3年前に独立。縁あって、ワールドフットウェアギャラリーで、カラリストとしてアトリエをもつことになった。
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