衝撃を受けるほど安くて、旨い大阪焼肉! 再訪を誓った鶴橋の超人気店『空』とは?

curated by
大槻 篤

エバラ「黄金の味」といえば、まさに国民的焼肉のタレ。現在、『東京カレンダー』では、その黄金の味とコラボした、「黄金カレンダー」というサイトを随時更新中。僭越ながら、小生が編集長の命を受け、家焼肉の進化について喧々諤々と議論や調査を行っている。

とまあ詳細は黄金カレンダーを見ていただき、先日、その一貫で大阪に焼肉取材へ行ってきた。東京での仕事を終え、昼過ぎの新幹線で大阪へ。目的は新大阪から約30分の場所にある鶴橋エリア。たれ焼肉の聖地と言われる場所であり、初めての訪問となる。

鶴橋の路地。昔ながらのお店も多い一方、観光客狙いの(あまりよろしくない)店も多いので店選びには気を付けるべきという警鐘も

駅に着くと、噂通り(大袈裟じゃなく)焼肉の香りがしてくることに驚いた。東京であればコーヒーショップやファストフードの店が並んでいるはずの駅前の一等地に焼肉屋が並んでいる。

鶴橋駅の北側は狭い路地が入り組んでいるのだが、その両サイドがすべて焼肉店なのである。「焼肉」の文字と、呼び込みの店員。何より、食欲を刺激する香りが、鶴橋に来たのだという実感となる。日本というより、アジアの小都市を訪れた感覚だ。

右側が一号店。カウンターのみ。通りの対向や店の横など、どんどんと店を増設していったそう

今回の目的地は、その中でも超人気店として知られる『焼肉ホルモン 空』。「鶴橋=空」と認識する人も多いほど、この街の代名詞的な存在だ。昭和56年、もともと3.5坪からスタートした同店は、他店との差別化を図るため、「目方は他店の半分。いろいろ食べやすく」を店のコンセプトに据えた。

結果として、現在店舗は5店舗まで増え、席数も8席から200席へと成長を遂げているという。休日には、長蛇の列ができるほど。むしろ、平日でも16時の開店と同時に客が押し寄せるというから驚きだ。

一人客が多いのが同店の特徴。仕事終わりにサクッと焼肉が文化として定着している

訪れたのは、平日の開店直後。路地を挟んで両サイドにあるお店に、続々と客が吸い込まれていく。近所住まい風情の客や作業着姿の一人客、はたまた観光客風のカップルなど、その人種は実にさまざま。まさに大衆焼肉。

あてがわれるロースターを前に黙々とホルモンを焼いていく。煙にまみれながら、汗をかきながら多くの人が焼肉に興じるその光景は、品が良くなりすぎた東京の焼肉シーンではほとんど見る機会がない(といっても、大阪焼肉の逆輸入が東京でも起こりつつあるのだが)。

ロースターで焼き上げるため、店内は煙がモクモク。しかし、それもまたこの店の醍醐味


取材ということもあり、二代目女将の金山さんが目の前で肉を焼いてくれた。快活で明るい、まさに大阪の女将!といった風情で笑いながらどんどん肉を焼いてくれる。ハチノス、ハラミ、ホソ(小腸)と次々に焼かれていくホルモン。ポーションが小さく、一品あたり500円程度なので、一人で来ても色々と食べられるのが嬉しい。そのペースに飲まれ、取材中にも関わらず、ビールがどんどんすすんでいく。

女将の金山さんは吉本新喜劇に出てきそうなキャラクター(褒め言葉である)

店独特のグルーブ感とほどよく入ったアルコールで、まさに陶酔の極み。取材がなければ、このまま永遠と飲み続けたいほどである。これぞ、大阪焼肉の真骨頂。まさに、わざわざ遠くからでも行く価値のある、お店であり、まさにレジェンドな存在である。

現在、「黄金カレンダー」では、この『空』を含む、鶴橋焼肉の名店5店を紹介中。たれ焼肉の元祖と言われる『鶴一』や、名物女将のいる『大倉』など、名店の情報をくまなくレポート。その他に、東京焼肉の名店や家ですぐにできる焼肉レシピなどの情報も掲載しているので、ぜひサイトを訪れてもらいたい。

ちなみに、この日取材を終えた我々は焼肉欲が抑えきれず、そのまま近くの『アジヨシ総本店』で打ち上げ。たらふくお肉を堪能した後、法善寺横丁、宗右衛門町とハシゴし、最後はタクシーの運転手に薦められたスナックへ……。残念ながら、ここで私の記憶は途切れたのだが、一夜限りのディープで楽しい思い出になったのは言うまでもない。

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