タクシー代の秘密 Vol.3

タクシー代の秘密:リーマン・ショック後、元プロ女子大生のタクシー代の行方やいかに

今宵もまた東京の至るところで、出会いを求める男女が戦を繰り広げている。

楽しい時間のあとに男性が取る行動としてスマートと讃えられる”タクシー”術。 お金を渡すのか、一緒に送っていくのか、それとも……?

学生時代から30歳に至るまで、通算2,500回もの「お食事会」に参加した元“プロ女子大生”の優子が、タクシー代の支払い事情、いわば「タクシー代の秘密」に関する、歴史的変遷を考察する。

前回は、ITバブルの恩恵を受けながらタクシー代だけで暮らせたプロ女子大生が、ライブドアショックを機に受けた打撃を紹介。今回は新卒時代に起きたリーマン・ショック後、2009年以降の移り変わりを描く。

“女子大生ブランド”を失った彼女たち


大学卒業後、プロ女子大生たちはそれぞれの進路を歩んだ。弁護士事務所の社長秘書、日系航空会社のCA、キー局(日本の主要テレビ局)のアナウンサーになった子もいれば、大手保険会社の一般職として勤める腰掛けOLも。

私が新卒で入社したのは、その当時ノリにのっていた某ベンチャー企業。ワンマン社長、少数精鋭、“残業する人は偉い”、“休日出勤する人ほど評価される”という風潮が社内で流れていた。まさにベンチャーの典型。

タクシー代だけで暮らしていた華々しい生活から一転して、OL生活は想像以上に過酷なものだった。

毎朝9時に出社し、終電過ぎまで休みなく働く。新入社員はコピー取り、お茶汲み、さらに営業、企画、PR、商品開発、生産管理まで何でもやらされた。催事やトラブルがあれば、土日返上で出社する。そして、どんなに体を酷使して働いても、月収はわずか20万円。

一日10万円を荒稼ぎしていた学生時代の方がよっぽど良かった。

それでも激務の中、仕事の合間を縫っては、お食事会に参加し続けた。勤務先が港区だったため、六本木や西麻布は徒歩圏内。開始時間のギリギリまで仕事をし、軽く化粧直しをして、戦場へ繰り出す。

それまでは毎日17時の定時で終わる腰掛けOLたちが、先に会場の近くでお茶して私を待っていてくれる。会議が長引いて抜け出せない時は、彼女たちが先に仕切って始めておく。新入りの女子にドタキャンされれば、ピンチヒッターを探し出す。学生時代から築いて来たチームワークがそこで発揮されていた。

食事をして、連絡先を交換して、タクシー代をもらって、再び会社に戻って残業する。ときどきもらえない日があれば、社会人の自分には価値がないと思うときもあった。しかし、それが一種のストレス発散だったのかもしれない。

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