お酒トリビア:「国産ワイン」は日本で収穫されたぶどうで作られていない!?

お酒を嗜む大人ならマニアックな知識でなくても、ちょっとした知識は頭に入れておきたいもの。デートの際にもお酒で気分やムードを盛り上げるだけでなく、お酒そのものを話の主役に持ってくるのもいいかも。

ということで今回は、お酒にまつわる話のネタをいくつかご紹介。簡単な知識だけど知っておきたいお酒のトリビアはこれだ!

お酒のトリビア①(ワイン)
国産じゃなくても国産ワインって?

国産ワインと聞くと、山梨県の甲州ワインが有名です。山梨産のぶどうは、国産ぶどうの約25%を占める収穫量を誇っているので、ぶどうを原料とするワインが有名になるのもうなずけます。

ぶどうの収穫量が日本一なのだから、ワインの生産量も山梨が全国でトップだと誰もが思うことでしょう。

しかし、実は山梨のワインの生産量は全国で2位。1位はなんと、収穫量では全体の1%にも満たない神奈川県なのです。これはなぜかというと、神奈川県には日本の主要なワインメーカーのひとつであるメルシャンの藤沢工場があるため。同工場では主に、輸入したぶどう果汁を使ってワインを生産しています。

ワイン好き県民ベスト10&ビール・日本酒・焼酎の一番好きな県民 ※出典:国税庁「平成23 年度成人1人当たりの酒類販売(消費)数量表(都道府県別)」

ところで、「国産」というからには日本で収穫されたぶどうが原料のワインのことだと思っている人は多いことでしょう。

しかし、世界の主要なワイン生産国ではワインを定義する厳格な法律があるのですが、日本にはそれがなく、国産ワインとは「原料が日本産か海外産かに関わらず、日本で製造・販売するすべてのワイン」という程度の決まりしかありません。実は、「国産ワイン」として流通しているワインの約8割が、海外から輸入した安価な濃縮果汁を原料としているのです。

そのため、日本産のぶどうを原料とし、日本で醸造された純粋な国産のワインを「日本ワイン」と呼んで区別するのが今どきは常識なのです。たまには奮発して「国産ワイン」ではなく「日本ワイン」にしてみては?

お酒のトリビア②(日本酒)
日本酒の発酵方法は世界でも最も高度な製法

日本酒(清酒)の消費量が多い都道府県は、東北や北陸に集中している傾向にあります。1位の新潟県をはじめ、これらの地域は全国でも有数の米どころとして知られており、米の産地ではそれだけおいしい銘酒がつくられていることになります。

日本酒は他のお酒とは違う「並行複発酵」という独特の醸造法が用いられています。これは、原料の米に麹を加えてまず米のデンプンを糖に変化させ、この糖分をさらに酵母でアルコールに変えるという、世界に数ある発酵方法の中でも最も複雑で高度な製法なのです。

ちなみにワインは、原料のぶどうに糖分が含まれているため、糖分を酵母でアルコールに変えるだけなので「単発酵」と呼びます。ビールの場合は、原料の大麦に糖分が含まれていないので麦芽で糖化させ、これに苦味のもととなるホップを加え、煮沸・冷却したものに酵母を加えて発酵させる「単行複発酵」という製法です。

日本酒用の酵母もひとつではなくたくさんの種類があり、酵母によって味も変わってくるのです。

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