鮨をシャンパンでいただいて昇天したい貴方に贈る“鮨シャン道”を極めし6店

ヒラメの昆布締め、小肌、赤身のヅケと、いずれもアンリオ ブラン・ド・ブランとの相性は上々

旨みと酸味、熟成感とが織りなす魅惑の味『鮨からく』

銀座

カウンターの後ろには、大型のワインセラーが設えられ、その上には垂涎のシャンパンやグランヴァンのボトルがずらり。そして、客席で江戸前鮨に舌鼓をうつゲストの傍らにも、当然のように脚付きのグラスが。『鮨からく』では、これが当たり前の光景である。

店主・戸川基成氏は、店を開いて以来、ごく当たり前に日本酒を主体に扱ってきた。が、土地柄なのかゲストからの要望が多く、また近隣のレストランのソムリエたちとの交流もあったことから、ワイン類を導入するように。持ち前の勉強熱心さから、自らソムリエの資格も取得し、鮨とワインのマリアージュを説く伝道師として活躍している。

ウニとイカとキャヴィアにトリュフを添えた前菜や、毛ガニとフルーツトマトなど、シャンパンコンシャスなつまみも。季節などにより、メニューは異なる。写真は一例

自ずと、握りのみならずつまみも、シャンパンやワインを意識したものが多く出される。たとえば「シャンパンと抜群の相性を見せる」と戸川氏が太鼓判を押すウニやイカには、キャヴィアとトリュフを添えてさらにマリアージュを後押し。フルーツトマトと毛ガニの一皿は、トマトの酸味が、相性の良さを高めるポイントだとか。また、魚介類のバジルソース、果てはフォアグラ巻きと、めくるめく“鮨シャン”体験が楽しめる。

心得がない……という人でも、心配無用。シャンパンと鮨をこよなく愛する店主に委ねよう。

シャンパンを愛する戸川氏が選んだ名醸の逸品が揃う

カウンター付きの個室は4名から6名で利用可能

塩〆鯛の握り。料理はともに、握りと肴が交互に楽しめる

果実味とミネラル豊かな厳選シャンパン
『西麻布 拓』

乃木坂

内装には、ソムリエが立っていても違和感がないようにと、洋のエッセンスを取り入れた。つまり、開店前からワインに力を注ぐことは决定していたのだ。店主・佐藤卓也氏は『蔵六鮨』『箒庵(そうあん)』『久兵衛』など、数々の名店で江戸前鮨を究めた人物。

伝統の技を学びつつ、ワインと合わせるという新たな可能性にいち早く注目した。その本意は「肩肘張らず、好きな飲み物と一緒に楽しんでほしい」という、一貫したゲスト目線。

座席は14席の落ち着いた空間が広がる店内

季節でリストは更新されるものの、常時シャンパン7種程を用意する。もちろん、どれも豊かな果実味の中にもきれいなミネラルと酸を感じる、鮨と相性抜群の1本。リスト以外にも、好みを言えばぴったりの1杯を用意してもらえることも。

繊細でクリーミーな泡を楽しめるアムールド ドゥーツに合うのは鯛。この店では塩を当てて1日ほど締めているため、旨みは増大。その力強さを受け止めるだけの、しっかりしたミネラル感がこのドゥーツにはある。締めて濃縮された鯛の味わいはシャンパンのテロワールの個性と見事に調和する。

シャンパンの中に隠れた香りや味わいを探しながらネタとの相性を楽しもう。

ブリの握り。コクのある赤シャリに脂のしっかりのったブリ。その濃厚な旨さをルイナールのふくよかな味わいがしっかり受け止める

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